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唐人髷
「唐人髷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唐人髷の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
居をくぐる。敷石の上に鳩が五六羽、時雨《しぐれ》の中を遠近《おちこち》している。
唐人髷《とうじんまげ》に結《い》った半玉《はんぎょく》が渋蛇《しぶじゃ》の目《め....
「縮図」より 著者:徳田秋声
子供たちに送ってくれた銘仙を仕立てて着せた時の悦びも、思い出すと涙の種であった。
唐人髷に結って死にたいと言っていたので、息を引き取ってから、母は頭を膝のうえに載....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ているお美夜ちゃんが、ニッコリ答える。この暑いのに振袖で、帯を猫じゃらしに結び、
唐人髷《とうじんまげ》に金《きん》の前差《まえさ》しをピラピラさせたお美夜ちゃん....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
初めてからは、悪足掻《わるあがき》もまた一段で、襦袢《じゅばん》がシャツになれば
唐人髷《とうじんわげ》も束髪に化け、ハンケチで咽喉《のど》を緊《し》め、鬱陶《う....
「南路」より 著者:宮本百合子
る様子は、実に可愛ゆく、滑稽である。 自分が、五つか六つで、一かど大人に感じ、
唐人髷の附け髷を結って貰っては、叔母の長襦袢を引ずっていた頃を思い出し、思わず軽....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
の昼夜帯《はらあわせ》を、ぬき衣紋《えもん》の背中にお太鼓に結んで、反《そ》った
唐人髷《とうじんまげ》に結ってきたが、帰りしなには、差櫛《くし》や珊瑚珠《たま》....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
りの天候と云うものは、また妙に、人肌や暖もりが恋しくなるものである。まして結綿や
唐人髷などに結った娘達が、四五人|雪洞の下に集い寄って、真赤な桜炭の上で手と手が....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
かったから、錦子も、おぼろげながら知っていた。 「あたくしに、書けましょうか。」
唐人髷《とうじんまげ》の、艶《つや》やかなのと、花櫛《はなぐし》ばかりを見せてい....
「髷」より 著者:上村松園
た別々であるので、髷の名称ほど種々雑多なものはない。 結綿、割唐子、めおと髷、
唐人髷、蝶々、文金高島田、島田崩し、投島田、奴島田、天神ふくら雀、おたらい、銀杏....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
と、中庭の木戸が開いた。 高谷千代子の美しい姿がそこへ現われた。いつにない髪を
唐人髷に結うて、銘仙の着物に、浅黄色の繻子の帯の野暮なのもこの人なればこそよく似....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
の首が浮いて来たように身の毛を逆立にしてびっくりした。 すると、チョン髷の男と
唐人髷の女は静かに岸に上って来た。そしてうやうやしく礼をして、 「私は野崎村の久....
「紫式部」より 著者:長谷川時雨
も横浜の浜育ちという諧謔《かいぎゃく》であったのだ。 彼女は、あたくしが、まだ
唐人髷《とうじんまげ》に結っていた十|幾歳《いくつ》かの、乏しいお小遣いで、親に....