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唐崎
「唐崎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唐崎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三四郎」より 著者:夏目漱石
。花紅葉吉原八景《はなもみじよしわらはっけい》だの、小稲半兵衛《こいなはんべえ》
唐崎心中《からさきしんじゅう》だのってなかなかおもしろいのがあるよ。君も少しやっ....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
十分までにおいでくだせれば半額でいたします。 小石川区××町つぼみアパート七号室
唐崎《からさき》みどり』 半平の顔が、だらしなく解けた。行人の巷《ちまた》に曝....
「比叡」より 著者:横光利一
ら見た琵琶湖よりも、色彩が淡く衰えているように感じられた。殊に一目でそれと知れた
唐崎の松も、今は全く枯れ果ててどこが
唐崎だか分らなかった。しかし、京都の近郊とし....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
橋通りの屋敷を出て、海岸の方へ歩いて行った」 月子の声が聞こえて来た。 「舟は
唐崎へ着きました。誰か植えたる一つ松!
唐崎の松はびょうびょうと、夜風に鳴ってお....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
彼が比良です。彼処に斯う少し湖水に出っぱった所に青黒いものが見えましょう――彼が
唐崎の松です」
余は腰かけを離れて同行の姉妹に指した。時計を見れば、最早二時過....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
」とは本来の意味においてもたいした相違はないのである。 この作業仮説に従えば「
唐崎の松は花よりおぼろにて」も、松と花との対立融合によって立派に完結しているので....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
者は猿なり。日吉《ひえ》にも、インド、セイロン同然猴は屍を匿《かく》す話行われ、
唐崎《からさき》まで通ずる猿塚なる穴あり、老い果てた猿はこの穴に入りて出ざる由。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
く四五倍の高さを増して、手をつなぎ合ってこちらへ当面に向っている。堅田の御堂も、
唐崎の松も、はっきりと眼の前に浮び上って来ている。 三井、阪本、大津、膳所《ぜ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
角は、道庵を待合わせる間の道草として、大津から八景めぐりを試み、この日ちょうど、
唐崎浜の一つ松の下へ毛氈《もうせん》を敷いてお弁当を開いておりました。
昨日は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らんなさい、あの比良ヶ岳から南へ、比叡山の四明ヶ岳――その下が坂下《さかもと》、
唐崎、三井寺――七景は雲に隠れて三井の鐘と言いますが、ここではその鐘も聞えません....
「源氏物語」より 著者:紫式部
をするようとの仰せであったが、いったんは皆退出させて、近江守《おうみのかみ》のは
唐崎《からさき》、摂津守の子は浪速《なにわ》で祓《はら》いをさせたいと願って自宅....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
舟を狙って、撃ってやろうか」
艪を漕ぎながら、振向いた。
「無益の殺生はよせ、
唐崎辺へつけて、叡山から、雲母《きらら》越えに戻ろう。大津は、危いかも知れん」
....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
(夜はしらじらと明け、暁の鐘が鳴る) 第三場 (垂幕、湖水の漣に配して
唐崎の松の景。朝の渚鳥が鳴いている。 源右衛門と源兵衛旅姿で花道より出で来り、程....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
東左近将監、長井丹後守、越後ノ前司貞知など、およそ二千騎。 この手は、大津から
唐崎への、湖畔へかけて布陣したが、べつな一軍は、叡山の京口、一乗寺下がり松に陣し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
花屑のように流れ去ッた。 「やっ? 敵の襲来か」 あたりは急に騒然とし、坂本、
唐崎の遠くにまで、潮のようなどよめきや飛ぶ火が見えた。 夜すがらな山下のあらし....