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「唐戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

唐戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
広いその玄関の入口はことごとく細《ほそ》い格子《こうし》で仕切られているだけで、唐戸《からど》だの扉《ドア》だのの装飾はどこにも見られなかった。 一口でいうと....
春昼」より 著者:泉鏡花
た。丹塗の柱、花狭間、梁の波の紺青も、金色の竜も色さみしく、昼の月、茅を漏りて、唐戸に蝶の影さす光景、古き土佐絵の画面に似て、しかも名工の筆意に合い、眩ゆからぬ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
を、詣るものの、浮足に行潜ると、玉敷く床の奥深く、千条の雪の簾のあなたに、丹塗の唐戸は、諸扉両方に細めに展け、錦の帳、翠藍の裡に、銀の皿の燈明は、天地の一白に凝....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
古銅の置物というわけでもなし、浅草の中見世で買って来たお多福の人形が飾って有り、唐戸を開けると、印度物の観世音の像に青磁の香炉があるというのでなし、摩利支天様の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
り、ようやく離れ座敷で眠りに落ちようとしたのとほぼ同じぐらいの時刻でありました。唐戸《からと》のような大きな障子が、すうーっとあいて、有明の行燈《あんどん》の中....
頼朝の最後」より 著者:田中貢太郎
前、周防様と二人で、子の刻過ぎ、お廊下を見廻っておりますと、怪しい人影が御寝所の唐戸を開けて、出てまいりましたから、手燭をさしつけましたところ、それは被衣のよう....
私本太平記」より 著者:吉川英治
主膳なら入ってもいい。どうした、吉田の法師は」 「は」 何げなく主膳はさかいの唐戸を開けた。が、壁代が垂れていてどちらの姿もよく見えないのでなお一ばい大きく開....