唐檜[語句情報] » 唐檜

「唐檜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

唐檜の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
っている、大方|紫檀《したん》に変性するだろうと思われる、さすがに寒いと見えて、唐檜は葉の裏を白い蝋で塗っているのが、遠くからは藍色をして、天空の青、流水の碧と....
銀河鉄道の夜」より 著者:宮沢賢治
うの窓を見ながら叫んでいました。 ああそこにはクリスマストリイのようにまっ青な唐檜《とうひ》かもみの木がたってその中にはたくさんのたくさんの豆電燈《まめでんと....
ポラーノの広場」より 著者:宮沢賢治
のはずれだよ。」 「ああ、これかしら、何の木だい、楢《なら》か樺《かば》だらう。唐檜やサイプレスではないね。」 「楢と樺だよ。ああこれか。ぼくはねえ、どうも昨夜....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
う。そうして、山榛の木、沢胡桃などが、悄然と、荒れ沢の中に散在している。栂、樅、唐檜、白樺などは、山の崕に多く、水辺には、川楊や、土俗、水ドロの木などが、疎に、....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
扉を開けて見ると、穂高神社奉遷座云々と、禿び筆で書いた木札などが、散乱している。唐檜や落葉松が、しんしんと立てこんでいる中を、木祠のうしろへ出ると、そこが宮川の....
チュウリップの幻術」より 著者:宮沢賢治
》の袖《そで》で額《ひたい》の汗《あせ》を拭《ふ》きながら向《むこ》うの黒い独乙唐檜《ドイツとうひ》の茂《しげ》みの中から出て来ます。 「何のご用ですか。」 「....
銀河鉄道の夜」より 著者:宮沢賢治
見ながら叫《さけ》んでいました。 ああそこにはクリスマストリイのようにまっ青な唐檜《とうひ》かもみの木がたって、その中にはたくさんのたくさんの豆電燈《まめでん....
釜沢行」より 著者:木暮理太郎
にむに攀じ上り、先の痩尾根の上に立って一休みした。 尾根は石楠其他の灌木に栂や唐檜の若木が交って邪魔をする。時々振り返って後を見ると、南アルプスの雪が木の間に....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
枯枝を縦横に逆立てている深い笹原を、針蕗に刺されながら泳ぎ抜けて、昼も暗い白檜|唐檜の深林に入った。朽葉の積った柔い土の香と軽い樹肥の香とが苛立った神経を落付け....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
な岳の一部を現わした。劒が見えるぞと怒鳴る。急いで荷を背負って左の尾根を下った。唐檜の木立に這入ると切明けの跡が判然したので吻と安心する。又池があった、前のより....