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唐櫃
「唐櫃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唐櫃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
《わし》が妹の処へ返詞《へんじ》を書いてやったのだ、手前方へ預《あずか》れば石の
唐櫃《かろうと》へ入れたも同然と御安心下さるべく候《そろ》と書いてやった」 勝....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
半七は用心しながら追ってゆくと、式部は奥の八畳の間へ逃げ込んで、そこに据えてある
唐櫃の蓋をあけようとするところを、半七はうしろからその腕を取った。取られた腕を振....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
張に震える手をもって、スパナーを引いていった。 「ガチャリ!」 とうとう最後の
唐櫃が開かれたのだった。 「呀ッ!」 「これも空虚っぽだッ!」 帆村は須永に目....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を見た。それから三日の後に、和子は死んだ。 鬼界の三年は、人間の三日であった。
唐櫃の熊 唐の寧王が※県の界へ猟に出て、林のなかで獲物をさがしていると、草の奥....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ことになった。それが一種の神事となって今も廃れず、大祭当日には赤飯を入れた白木の
唐櫃を舟にのせて湖心に漕ぎ出で、神官が祝詞を唱えてそれを水中に沈めるのを例とし、....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ら出たのは、丹塗《にぬ》りに、高蒔絵《たかまきえ》で波模様を現した、立派やかな、
唐櫃《からびつ》だった。
丁度、人、一人、屈んではいれようかという、ずッしりし....
「春昼」より 著者:泉鏡花
よ。 以来、あの柱に、うたゝ寐の歌がありますので。 客人はあと二、三日、石の
唐櫃に籠ったように、我と我を、手足も縛るばかり、謹んで引籠ってござったし、私もま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
力ではこの箱の方に、いっそう特殊の趣味を感じたからでありました。
それは古代の
唐櫃《からびつ》といったものの形に相違ないが、底辺に楕円形の孔があいていて、そこ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
十 その中に最も人間に近く、頼母しく、且つ奇異に感じられたのは、
唐櫃の上に、一個八角時計の、仰向けに乗っていた事であった。立花は夢心地にも、何等....
「源氏物語」より 著者:紫式部
た衣服はそれまで、いやな気がしてよく見ようともしなかったのを、女房らが香を入れる
唐櫃《からびつ》にしまって置いたからよい香のついたのに、その人々からしかたなしに....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
るのが、礼であった。
大玄関には、四|旒《りゅう》の生絹《すずし》、供えものの
唐櫃《からびつ》、呉床《あぐら》、真榊《まさかき》、根越《ねごし》の榊《さかき》....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
、引戸腰黒の輿物に乗り、袋入の傘、曳馬を引き、堂々として押し出した。後から白木の
唐櫃が行く、空色に白く葵の御紋、そいつを付けた油単を掛け、黒の縮緬の羽織を着た、....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
。 二人の眼前にあるものといえば、鋲や鉄環で鎧われたところの、巨大ないくつかの
唐櫃であり、その中に充ちている物といえば、黄金の延棒や銀の板や、その他貴金属の器....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
所に致し置き、妾を詮議して白状させ、その寝所の下を調べさしたところが、二重の石の
唐櫃が出て、その中に又黒塗の箱が有り、それには武田家の定紋染めたる旗|一旒に一味....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
てはそれが伝説化せらるるに至っては、幣物とともに妙齢の婦女を人身御供として白木の
唐櫃に蔵め、暗夜に社殿に送るという俗話も起って来るのである。 自分は今昔物語そ....