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唐物屋
「唐物屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唐物屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
にあった。そこの角《かど》にある店蔵《みせぐら》が、半分は小さな郵便局に、半分は
唐物屋《とうぶつや》になっている。――その
唐物屋の飾り窓には、麦藁帽《むぎわらぼ....
「泥濘」より 著者:梶井基次郎
見ながら自分は少し麦酒の酔いを覚えていた。 三 ライオンを出てからは
唐物屋で石鹸を買った。ちぐはぐな気持はまたいつの間にか自分に帰っていた。石鹸を買....
「道楽と職業」より 著者:夏目漱石
よほど多いだろうと思う。単に職業に変化があるばかりでなく、細かくなっている。現に
唐物屋《とうぶつや》というものはこの間まで何でも売っていた。襟《えり》とか襟飾り....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
まったので、もしやという心から、筋違《すじかい》に通を横切って細い横町の角にある
唐物屋《とうぶつや》の傍《そば》へ近寄ると、そこにも一本の鉄の柱に、先刻《さっき....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
、時間がまだすこし早すぎるので、散歩かたがた四丁目まで来て、シャツを買いに大きな
唐物屋《とうぶつや》へはいった。小僧が奥からいろいろ持ってきたのをなでてみたり、....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
引けるという評判だから、此所で取付かなければなんねいから、洋物屋をすれば、前には
唐物屋と云ったが今では洋物屋と申しますそうでござりやすが、屹度当るという人が有り....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
何処でも塵埃のためには困らされました(その頃、タシカ、神田のお玉ヶ池の佐羽という
唐物屋がたった一軒硝子戸を入れていたもので、なかなか評判でありました。硝子器の壜....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
が積み重ねられたなかで、職人がせっせと足袋を縫っていた。新式に硝子戸の店を造った
唐物屋の前には、自転車が一個、なかばは軒の雨滴れにぬれながら置かれてある。 町....
「縮図」より 著者:徳田秋声
たちの声を耳にしていた。 二人はぶらぶら歩きながら、大通りへ出て行った。銀子は
唐物屋や呉服屋、足袋屋などが目につき、純綿物があるかと覗いてみたが、一昨年草津や....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
うである。呉服屋の店には、色の褪めたような寄片が看るから手薄に並べてある。埃深い
唐物屋や古着屋の店なども、年々衰えてゆく町の哀れさを思わせている。ふといつか飛び....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
ぬ。いかにも、この懐中の一両は、それがし昨日、かねて所持せし徳乗の小柄を、坂下の
唐物屋十左衛門方へ一両二分にて売って得た金子には相違なけれども、いまさらかかる愚....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る捕方《とりかた》は出て来るという評判だけで、ちっとも出て来ません。 人形町の
唐物屋《とうぶつや》を貧窮組が叩き壊した時は、朝の十時頃から始めて家から土蔵まで....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
るうちに、俺は二足三足歩き出していた。ふらふらと我知らず電車道を横ぎると、其処の
唐物屋の窓口に、クリスマスの飾物がまだ残っていた。杉の青葉に蜘蛛の糸のような銀糸....
「久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
役者なんぞは、随分給料が安いといって不平を並べますが、大根はといえば好なんだから
唐物屋なら
唐物屋で、もっと給料を出すからといったところで、役者をやめて其方へ行き....
「それから」より 著者:夏目漱石
の様に平たく見えた。青い空は、屋根の上にすぐ塗り付けられていた。 代助は二三の
唐物屋《とうぶつや》を冷かして、入用《いりよう》の品を調えた。その中に、比較的高....