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「唐突〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

唐突の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
は読みかけた書物を閉じながら、無愛想にこう問いかけた。云うまでもなく私には、彼の唐突な訪問が意外であると共に腹立しかった。と同時にまた別荘番が一言《いちごん》も....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
へひろげると、指である箇所をさしながら、読み給えと云う眼つきをした。それがあまり唐突《とうとつ》だったので、技師はちょいと驚いたが、相手の少佐が軍人に似合わない....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
かれていたチョイス・リイダアの傍《かたわら》へ、出席簿をひろげて眺め出した。この唐突たる挨拶の終り方が、いかに自分たちを失望させたか、と云うよりもむしろ、失望を....
」より 著者:芥川竜之介
元千二百八十八年になって、始めて人を化かすようになった。――こう云うと、一見甚だ唐突《とうとつ》の観があるように思われるかも知れない。が、それは恐らく、こんな事....
妙な話」より 著者:芥川竜之介
何もいない。いるのはこれも見知り越しの、海軍将校の夫妻だけだった。無論この夫妻が唐突《とうとつ》とそんな事をしゃべる道理もないから、声がした事は妙と云えば、確か....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
に通じない叔母の返事は、心細いくらい曖昧《あいまい》だった。それが何故《なぜ》か唐突と、洋一の内に潜んでいたある不安を呼び醒ました。兄は帰って来るだろうか?――....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
々や樹木も何か憂鬱《ゆううつ》に曇っていた。 「新時代ですね?」 K君の言葉は唐突だった。のみならず微笑を含んでいた。新時代? ――しかも僕は咄嗟《とっさ》の....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
こう言う渚に寄せて来る浪を眺めていた。 「君は教師の口はきまったのか?」 Mは唐突《いきなり》とこんなことを尋ねた。 「まだだ。君は?」 「僕か? 僕は……」....
婦系図」より 著者:泉鏡花
な。こりゃ世話をしたのが無理だった。め組怒っちゃ不可い。」 「分った……」 と唐突に膝を叩いて、 「旦那、てっきりそうだ、だから、私ア違えねえッて云ったんだ。....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
附を聞徳に、いざ、その段になった処で、件の(出ないぜ。)を極めてこまそ心積りを、唐突に頬被を突込まれて、大分|狼狽えたものらしい。もっとも居合わした客はなかった....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ざいました。」 と鋳掛屋が私たちに話した。 いきなり鋳掛屋が話したでは、ちと唐突に過ぎる。知己になってこの話を聞いた場所と、そのいきさつをちょっと申陳べる。....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
荷を下ろして、首をそらし、口を張って、 ――「とうふイ、生揚、雁もどき。」――唐突に、三人のすぐ傍で……馬鹿な奴である。 またこの三人を誰だ、と思う?……し....
縁結び」より 著者:泉鏡花
よ、じれったい。」 「先方もじれったがっておりましょうよ。」 「婦人か。」 と唐突に尋ねた。 「ほら、ほら、」 と袂をその、ほらほらと煽ってかかって、 「ご....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。 「早附木は? 叔母さん。」と魅せられたものの背中を一つ、トンと打つようなのを唐突に言った。 「ああ、そうでした。」 と心着くと、これを嫗に握られた、買物を....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
す。 と申しまして、私が今いきなり死んでからの物語を始めたのでは、何やらあまり唐突……現世と来世との連絡が少しも判らないので、取りつくしまがないように思われる....