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唐箕
「唐箕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唐箕の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
、葉裏の卵を探す代りに。 苅った稲も扱きばしで扱き、ふるいにかけ、唐臼ですり、
唐箕にかけ、それから玄米とする。そんな面倒くさい、骨の折れる手数はいらなくなった....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
が惜しいことをしました」こういってやっぱり笑った。 晴れた日には、農家の広場に
唐箕が忙わしく回った。野からは刈り稲を満載した車がいく台となくやって来る。寒くな....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
は、風よけがわりにずらりと家の周囲にかけられる。ざら/\と稲を扱く音。カラ/\と
唐箕車を廻す響。大根引、漬菜洗い、若い者は真赤な手をして居る。昼は北を囲うた南向....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
雪はまだ降り続いていた。最早五六寸も積っているのだった。戸を開けると、粉雪は
唐箕の口から吹飛ばされる稲埃のように、併しゆるやかに、灯縞の中を斜めに土間へ降り....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
引っかけていたお絹の手首は決して放すことではありません。 はッ、はッと吐く息は
唐箕《とうみ》の風のようであります。なんにしても、がんりきは腕が一本しかないので....
「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」より 著者:宮沢賢治
クンクン ばけもの麦はザック、ザック、ザ、 からすカーララ、カーララ、カー、
唐箕《とうみ》のうなりはフウララフウ。」 みんなはいつの間にか棒を持っていま....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かくのごとく、不幸は往々にして愛し合ってる心をもたがいに離れさせるものである。
唐箕《とうみ》が穀粒を選《え》り分くるように、不幸は生きんと欲する者を一方に置き....
「濁酒を恋う」より 著者:佐藤垢石
は、まるで変わっていた。石油発動機が庭の真ん中で凄い響きを立てて唸り、稲扱万牙も
唐箕も摺臼も眼がまわるような早さで回転していた。 浅間山の方から吹いてくる霜月....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
睡《うまい》を破った。やがて月光の下に引き出された男女二人、男は浪人者の居合抜き
唐箕嘉《とうみのか》十|郎《ろう》、額部《ひたい》へ受けた十手の傷から血が滴って....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
、或いはまだその痕跡を留めているのではないかとも考えられる。 とにかくに摺臼や
唐箕が採用せられて、玄米の俵が商品となるまでの間は、稲作作業の終局と考えられたの....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
りの瀑の白泡が丁度、上から目に見えぬほど静に辷り落ちて来る雪の塊を、其|儘巨大な
唐箕か何かで吹き散しているようだ。この静寂な朝の谷間で動いているものは、私達の一....