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「唖然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

唖然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
煙管」より 著者:芥川竜之介
共の所望がうるさい。以来従前通り、金の煙管に致せと仰せられまする。」 三人は、唖然《あぜん》として、為す所を知らなかった。 七 河内山宗....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
たとしたら、貴方はやっぱりわたしに対して、今までのように憧れるかしら」 ペンは唖然として、バラの熱弁に叩かれていた。彼はこのときホッと溜息をついて、バラに向っ....
千年後の世界」より 著者:海野十三
新しいのと貼りかえられます」 「ははあ、そうでしたか」 といったが、フルハタは唖然とした。さっきから、このチタ教授の素裸を見て、こっちが顔を赤らめていたわけだ....
人間灰」より 著者:海野十三
叩いた。釘は案にたがわず、打たれるたびに台の中へめりこんでいった。見物の一同は、唖然とした。 「さあそこで、こんな堅い林檎ですが、これが如何に脆いかお目にかけま....
蠅男」より 著者:海野十三
外していった。 錠前はすべて外れた。ものの二分と懸らぬうちに―― 大川主任は唖然として、帆村の手つきに見惚れていた。 「さあ、トランクを開きますよ」 帆村....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
天井に頭をつかえてしまった」 「ええッ、あれは人形か。人形だったのか」 課長は唖然《あぜん》として、目を天井へやる。 「田鍋さん。あの女はやっぱり猫又《ねこま....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
赤鬼青鬼の合掌は、一体何を意味するのであろうか。三千子は、気をのまれた恰好で、唖然としてその前に立っていた。 するとそのとき、どやどやと足音がして、一団の人....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
残った。 それっきり、くろがね天狗は江戸市中に出没しなくなった。 岡引虎松は唖然として其の夜の決闘を屋根の上から眺めつくしたが、漸く探索上に一道の光明を見出....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
切らむとする三人の姿勢を崩して、窓口へ飛出したんだ。写真屋も驚いたが、われわれも唖然とした。何しろ、奢るべし、今夜の会には非常なる寄附をしろ。俥がそれなり駆抜け....
星女郎」より 著者:泉鏡花
入ったのは鮎の鮨でした。」 「鮎の鮨とは、」 「荘河の名産ですって、」 先達は唖然として、 「どうもならん。こりゃ眉毛に唾じゃ。貴辺も一ツ穴の貉ではないか。怪....
初雪」より 著者:秋田滋
良人は、自分の邸に煖房を据えつけようなどと云う突飛な妻の言葉を聞くと、しばらくは唖然としていたが、やがて、胸も張り裂けよとばかり、からからと笑いだした。銀の器に....
良夜」より 著者:饗庭篁村
の傍らへ下ろされたり。この時の予はもとの新潟県下第一の豪傑穂垂周吉にあらずして、唖然たる癡呆の一書生なり。馬車の動揺に精神を撹乱し、単純なる空気を呼吸したる肺臓....
三枚続」より 著者:泉鏡花
取って、お酌して酔わしてやろうや。莞爾してお前|様、いえさ、先生!」 金之助は唖然として、 「口の端を拭け、泡だらけだ。」 愛吉は仇気なく平手で唇を横に扱い....
式部小路」より 著者:泉鏡花
日|九重ににおい来る、菊や、菊や――酒の銘。 お夏は驚いて目を※った。真面目に唖然たるものこれを久しゅうして、 「駄目。おばさん、この人はね、酒だか私だか分ら....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
を見ると、額の疵あとが颯と薄化粧を切って、その色はやや蒼ざめた。 愕然、茫然、唖然として立竦んだ八郎がたちまち恭しくお辞儀をして、 「誰方も御見物は木戸口から....