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售
「售〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
售の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
》まらざる大丈夫が出来上がるのが目的である。 道也はこう考えている。だから芸を
售《う》って口を糊《こ》するのを恥辱とせぬと同時に、学問の根底たる立脚地を離るる....
「骨董」より 著者:幸田露伴
剣を渡して終ったのである。 そこへ正賓は遣って来た。そして画を検査してから、「
售れないなら
售れないで、原物を返してくれるべきに、狡いことをしては困る」というと....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
った。知行は三百石である。しかし抽斎は心を潜めて古代の医書を読むことが好で、技を
售ろうという念がないから、知行より外の収入は殆どなかっただろう。ただ津軽家の秘方....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を見て鳴くと、猟師が聞き付け走り来ると果して蛇が死んでおり、その胆を取りて高価に
售《う》る。狂犬に咬まれた者少しく服《の》まば即座に治る、また難産や疥癬に神効あ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
となり、やむをえず高価絶佳の鮫皮を酢で煮《に》爛《ただ》らかして壁を塗る料にして
售《う》った事もあり。さしも仙薬や宝玉同然に尊ばれた物も一朝時世の変で糞土よりも....
「珊瑚」より 著者:田中貢太郎
哀みを乞うた。任は怒って釈さなかった。二成はそこでまた地券を任にやって、かってに
售ってもかまわないということにして、やっともとの金をもらって帰って来た。そして断....
「道」より 著者:織田作之助
おかしいくらい勤勉になって、ひとの二倍も三倍も仕事をしてけろりとしている。もとは
售れぬ戯曲を二つか三つ書いていたようだったが、今は戯曲のほかに演出にも手を出す。....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
いたのである。俳句のみならず文章にも巧みであったが、人に勧められても一たびも文を
售《う》ろうとした事がなかった。同じ店に雇われていたものの中で、初め夜烏子につい....