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唯我独尊
「唯我独尊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唯我独尊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
。おぎんは釈迦が生まれた時、天と地とを指しながら、「天上天下《てんじょうてんげ》
唯我独尊《ゆいがどくそん》」と獅子吼《ししく》した事などは信じていない。その代り....
「きりぎりす」より 著者:太宰治
口をたたいたのを伺った事が一度もありませんでした。何先生は、どうだって、あなたは
唯我独尊のお態度で、てんで無関心の御様子だったではありませんか。それに、そんなお....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
たまゝ、四体は水の滴るゝまゝに下駄をはいて、今母の胎内を出た様に真裸で、天上天下
唯我独尊と云う様な大踏歩して庭を歩いて帰る。帰って縁に上って、手拭で悉皆体を拭い....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
のではない、個人ではない処の「自分」が凡てだというのだ。そう云われて見れば、この
唯我独尊主義も、決して簡単な妄想ではなくて相当複雑な虚妄であることに、戒心しなけ....
「旅愁」より 著者:横光利一
なって見たところで、結局は同一性という主観的なものからは脱けられないよ。天上天下
唯我独尊に落ちつくこと、そこが人間知識の相場市場だ。」そう云って東野は少し黙った....
「夜の靴」より 著者:横光利一
尚の釈迦堂の釈尊の首一個の存在がよく語っているようだ。そういえば、釈迦が天上天下
唯我独尊と唇から発した日は、十二月八日だった。太平洋戦争も同一の日だが、まもなく....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
である。『我』がにじり出づる所には、そこにわれ等の施すべき余地はない。自己満足、
唯我独尊、驕慢、自慢、自家広告、自分免許………何れも皆禁物である。小智小才に走る....
「枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
読書に飽きたら花に水でもやってピアノでも鳴らす。誰れに恐れる事も諛う事も入らぬ、
唯我独尊の生涯で愉快だろうと夢のような呑気な事を真面目に考えていた。それで肺炎か....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
してることを、レオンハルトは認めざるを得なかった。けれども彼はなお、クリストフが
唯我独尊主義者の真似《まね》をしている――(彼は本心から
唯我独尊主義者たり得る者....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
う》者だな!」
宗教上のことに対するある大胆さは、浮浪少年を高めるものである。
唯我独尊ということが大事である。
死刑執行に立ち会うことは、一つの義務となって....
「男女の交際について」より 著者:坂口安吾
の人の方が暗愚であり、つまり敗戦と共に亡びて然るべき誤れる憂国者、誤れる道徳家、
唯我独尊的愛国自認者であるにすぎない。 私はむしろこの悪条件の下で、却って秩序....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る生命に孕まれる白象の夢となるのである。新たなる言葉が陣痛する。托胎の月満ちて、
唯我独尊を叫ぶ産声があがる。これこそ人文世界の薄伽梵、仏世尊の誕生である。かくし....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
えんやというような訳で、これが無銭で大旅行を決心した理由であります。殊に天上天下
唯我独尊の釈迦牟尼|如来が至尊の王位と金殿玉楼すなわち天下の富貴を捨てて破衣乞食....
「西航日録」より 著者:井上円了
さらに歌および詩をつづりてその形状を述ぶ。 喜麻拉亜の景色如何と人問はゞ天上天下
唯我独尊 岳勢巍巍圧四陬、摩天積雪幾千秋、人間一接斯光景、豪気将呑五大洲。 (高....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
のかなたにかかっている。) 雪峰巍立碧雲間、鎮圧閻浮幾万関、鶴林一夜煙散後、空留
唯我独尊山。 (雪の峰があおみをおびて雲の間にそびえ、人間界のけがれをしずめおさ....