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唯物
「唯物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唯物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
摂生を許さなかったからもありましょうが、また一つには彼の性情が、どちらかと云うと
唯物的な当時の風潮とは正反対に、人一倍純粋な理想的傾向を帯びていたので、自然と孤....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の民であるように――我我は誰でも我我自身の持っているものを欲しがるものではない。
唯物史観
若《も》し如何なる小説家もマルクスの
唯物史観に立脚した人生を写さな....
「想片」より 著者:有島武郎
「共産党宣言」は暗黙の中にこの気持ちを十分に表現しているように見える。マルクスは
唯物史観に立脚したと称せられているけれども、もし私の理解が誤っていなかったならば....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、又欧洲の思潮ではヘブライズムとヘレニズムの名で、仏典では色相と空相の名で、或は
唯物唯心、或は個人社会、或は主義趣味、……凡て世にありとあらゆる名詞に対を成さぬ....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
壞して世界制覇を志したのが、今次の大破局をもたらしたのである。 この間すべてを
唯物的に取運ばんとするソ連は、今日アメリカと世界的に對抗し、眞のデモクラシーを呼....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
でその話を聴いて、庄兵衛はいよいよ思い当ったように嘆息した。 「まったくあの女は
唯物ではござらなんだ。あれが世にいう鬼女でござろう。」 それから十日ほど経つと....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
学叢書の)、ワイニフンド・スティブン著、フランス小説家。 仏文、ラブリオラ著、
唯物史観。ルボン著、群集心理学。 独文、ゾンバルト著、労働問題。菜食主義(ドク....
「巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
た時代の習慣で足はおのずとここへ向く。デカダン時代の風雅に養成された彼は、今日の
唯物的健康なるものに対して悉く反噬する。 「このごろ西の郊外に出来る新住宅の様式....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
て、少しく話してみようと思うのであるが、だいたい自分は理想主義の側に立って絶えず
唯物主義、功利主義、機械主義等の主張者とたたかってきたのである。もっとも激しくた....
「妖怪学」より 著者:井上円了
これを心理学という。これ、普通の見解なりし。もし学術上、物のほかに心なしといえる
唯物的の論に考うるときは、人の心は神経の変化作用より生ずるものにして、その体すな....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ら研究したが、本来ヘーゲルの流れを汲む露国の思想に養われていたから、到底これらの
唯物論だけでは満足出来ないで、終にコントに走って爰に初めて一道の曙光に接する感が....
「作家としての問題」より 著者:小川未明
ようなことから、なんでも、集団的に、階級的に見ようとするのは、この人生は、常に、
唯物的に闘争しつゝあるという見解のもとに、疑いを抱かない、肯定的な議論であります....
「純情主義を想う」より 著者:小川未明
人生の熱情も、感激も見られないのである。 レーニンの弁証法に、ブハーリンの史的
唯物論に、もとより真理のある事を否まない。且つ、科学的基礎のあることをば信ずる。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ある。これ唯心的の見方であります。柿の贈物があるので人の好意も現し得られる。これ
唯物的の見方であります。 事実は両方を兼ねているでしょう。私たちは贈り手の好意....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
人」に於て渾然一体である。その正しき調和を無視して一方に偏重し、いわゆる唯心とか
唯物とかいう事はむずかしい理屈の分からぬ私どもにも一方的理屈である事が明らかであ....