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唱
「唱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
月々文太郎の養育料として若干の金を送って貰う、――彼はこういう条件に少しも異存を
唱えなかった。のみならず妾宅に置いてあった玄鶴の秘蔵の煎茶《せんちゃ》道具なども....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
おぜい》お時儀《じぎ》をしていたでしょう。ああ云う連中は野菜の売れる祈祷の言葉を
唱《とな》えているのです。何しろ最近の新聞によると、紐育《ニュウヨオク》あたりの....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
った。するとそこの旦那《だんな》は大の法華《ほっけ》気違いで、三度の飯も御題目を
唱《とな》えない内は、箸をとらないと云った調子である。所が、平吉がお目見得《めみ....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
に、一際《ひときわ》高く十字を描いていた。彼は天を仰ぎながら、何度も高々と祈祷を
唱えて、恐れげもなく非人《ひにん》の槍《やり》を受けた。その祈祷の声と共に、彼の....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
で来た。彼はその悲しみを払うために、そっと泥烏須《デウス》(神)の御名《みな》を
唱えた。が、悲しみは消えないばかりか、前よりは一層彼の胸へ、重苦しい空気を拡げ出....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の裏町《うらまち》に仮の宿を定めてから甚太夫《じんだゆう》は怪しい謡《うたい》を
唱って合力《ごうりき》を請う浪人になり、求馬《もとめ》は小間物《こまもの》の箱を....
「葱」より 著者:芥川竜之介
くべき秘密の呪文《じゅもん》を心得ているアリ・ババとさらに違いはない。その呪文が
唱えられた時、いかなる未知の歓楽境がお君さんの前に出現するか。――さっきから月を....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
れは体に傷をつけては二百|両《りょう》にならねえと思ったんです。」と大いに異説を
唱《とな》えていました。
半之丞の話はそれだけです。しかしわたしは昨日《きのう....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
のような物を肩へのせる、それから、鼓板《こばん》を叩いて、人よせに、謡《うた》を
唱う。物見高い街中の事だから、大人でも子供でも、それを聞いて、足を止めない者はほ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
して、ありとあらゆる空の鳥の哂《わら》い物になったと云う歌であった。彼はその歌が
唱われるのを聞くと、今まで照していた幸福の太陽に、雲が懸ったような心もちがした。....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
い》竜神八部《りゅうじんはちぶ》、応護《おうご》の眦《まなじり》を垂れさせ給えと
唱《とな》えたから、その跡《あと》へ並びに西風大明神《にしかぜだいみょうじん》、....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
で行った。死ぬ前には頭も狂ったと見え「あんなに旗を立てた軍艦が来た。みんな万歳を
唱えろ」などと言った。僕は僕の父の葬式がどんなものだったか覚えていない。唯《ただ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
人の婆さんは、ランプを消した二階の部屋の机に、魔法の書物を拡げながら、頻に呪文を
唱えていました。書物は香炉の火の光に、暗い中でも文字だけは、ぼんやり浮き上らせて....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
空を渡るとしよう」 鉄冠子はそこにあった青竹を一本拾い上げると、口の中に咒文を
唱えながら、杜子春と一しょにその竹へ、馬にでも乗るように跨りました。すると不思議....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いている野葡萄の実をとってやったり、彼女たちを面白がらせるために墓石の銘を全部朗
唱したり、あるいはまた、彼女らをみんな連れて近所の水車用水池の堤を散歩したりした....