»
唾
「唾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
。畜生じゃよ。おぬしに殺されそくなった、人でなしじゃよ。………」
老人は、こう
唾罵《だば》を飛ばしながら、おいおい、呂律《ろれつ》がまわらなくなって来た。が、....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
歓喜や苦痛は、若槻如き通人の知る所じゃない。僕は人生の価値を思うと、百の若槻には
唾《つば》を吐いても、一の小えんを尊びたいんだ。
「君たちはそう思わないか?」
....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
た。しかし金将軍は少しも騒《さわ》がず、咄嵯《とっさ》にその宝剣を目がけて一口の
唾《つば》を吐きかけた。宝剣は
唾にまみれると同時に、たちまち神通力《じんつうりき....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
行った。
僕等の通った二階の部屋は中央に据えたテエブルは勿論、椅子《いす》も、
唾壺《たんつぼ》も、衣裳箪笥《いしょうだんす》も、上海や漢口《かんこう》の妓館に....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
少からず腹を立てたらしい。悪魔は一人になった後《のち》、忌々《いまいま》しそうに
唾《つば》をするが早いか、たちまち大きい石臼《いしうす》になった。そうしてごろご....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
は、もとより黙っていない。
「引き上げの朝、彼奴《きゃつ》に遇《あ》った時には、
唾を吐きかけても飽き足らぬと思いました。何しろのめのめと我々の前へ面《つら》をさ....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
」と。悪魔呵々大笑していわく、「愚《おろか》なり、巴※※《はびあん》。汝がわれを
唾罵《だば》する心は、これ即《すなわち》驕慢《きょうまん》にして、七つの罪の第一....
「竜」より 著者:芥川竜之介
が、一時一時《いっときいっとき》と時の移って行くのも知らないように、見物は皆|片
唾《かたず》を飲んで、気長に竜の天上を待ちかまえて居るのでございましょう。門の下....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
にも、明かによめる事実であった。
それでも彼は相不変《あいかわらず》悠々と手に
唾《つばき》など吐きながら、さっきのよりさらに一嵩《ひとかさ》大きい巌石の側へ歩....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
いる泰さんは、さらに疑念を挟む気色もなく、アイスクリイムを薦《すす》めながら、片
唾《かたず》を呑んで聞いてくれるのです。「その大きな眼が消えてしまうと、お敏はま....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
あるものはその十字架《くるす》の上に、I・N・R・Iの札をうちつけた。石を投げ、
唾《つば》を吐きかけたものに至っては、恐らく数えきれないほど多かったのに違いない....
「或る女」より 著者:有島武郎
それでいて、欲にかかるとずうずうしい、人のすきばかりつけねらう仕打ちを見ると、虫
唾《むしず》が走るほど憎かった。しかしこんな思いをするのもきょうだけだと思って部....
「或る女」より 著者:有島武郎
せてしまった。葉子はいつまでもそのデリケートな横顔を注視《みつめ》つづけた。岡は
唾《つば》を飲みこむのもはばかるような様子をしていた。
「岡さん」
そう葉子に....
「親子」より 著者:有島武郎
ひとり角力を取って見せたものだったが、どうした癖か、唇を締めておいて、ぷっぷっと
唾を霧のように吹き出すのには閉口した」 そんなことをおおげさに言いだして父は高....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
けることが出来るか。私には出来ない。人は或はかくの如き人々を酔生夢死の徒と呼んで
唾棄するかも知れない。然し私にはその人々の何処かに私を牽き付ける或るものが感ぜら....