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「啄む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

啄むの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
の下にある。パッパ、チイチイ諸きおいに歓喜の声を上げて、踊りながら、飛びながら、啄むと、今度は目白鳥が中へ交った。雀同志は、突合って、先を争って狂っても、その目....
竹青」より 著者:太宰治
金を全部はたいて羊肉を買い、それを廟前にばら撒いて神烏に供して樹上から降りて肉を啄む群烏を眺めて、この中に竹青もいるのだろうなあ、と思っても、皆一様に真黒で、そ....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
まで、事がきまっていたのだった。あわれ、恋に敗れた熊内中尉は、悪魔におのが良心を啄むに委せた。そこで中尉の恐ろしい復讐が計画されたのだった。 『竹花にあの女を与....
白い翼」より 著者:宮本百合子
覚えず烈しく翼で地面を搏《たた》きながら低く数尺翔んだ。今いたのは何物であろう。啄むうちに、また雄鳩は怪しいものが目を掠め去ったのを感じた。恐怖と好奇心が彼の内....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
の椽前には、一個|数寄を尽したる鳥籠を懸けたる中に、一羽の純白なる鸚鵡あり、餌を啄むにも飽きたりけむ、もの淋しげに謙三郎の後姿を見|遣りつつ、頭を左右に傾けおれ....
」より 著者:森鴎外
て構わなくなる。石田は雛を畳の上に持って来て米を遣る。段々馴れて手掌に載せた米を啄むようになる。又少し日が立って、石田が役所から帰って机の前に据わると、庭に遊ん....
故郷」より 著者:井上紅梅
道具で、木盤の上に木柵を嵌め、中には餌を入れておく。鶏は嘴が長いから柵をとおして啄むことが出来る。犬は柵に鼻が閊えて食うことが出来ない。故に犬じらしという) ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
った四更(夜明け前)の頃だった。 俊基は、ふと眼ざめた。 背中の下で、啄木の啄むような小さい物音を知り、 「さては、頼春か」 すぐ起きて、廊の欄へ、顔を見....
私本太平記」より 著者:吉川英治
女に付きまとっていた家雀は、兼好の膝や机の上に移って、彼が食べこぼす麦粉を拾って啄むことで夢中になり、彼は一喫の茶のうちに、ふと、彼女の俯し目がちな面に、今日は....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
の北の隅の二三本、ちょうど出入口ではあるが、夜明けの静かな時刻に、鵯がやって来て啄むらしいのである。それがこうして折々落ちているのを見ると、彼を招き寄せるには赤....