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商賈
「商賈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
商賈の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
商交易を望み、中にもヨーロッパの学術工芸を習得したいと欲しているが、ただ自分らを
商賈に過ぎないとし、最下等の人民として軽んじているのである。おそらくこれは嫉妬と....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
の所謂官員さま、後の世になれば社会の公僕とか何とか名告《なの》るべき方々も出た。
商賈《しょうこ》も出た負販《ふはん》の徒も出た。人の横面《そっぽう》を打曲《はり....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
あちらに民家街があった。この地に府をひらくため、或いは府らしい景観を備えるため、
商賈《しょうこ》と工人を、利を掲げて呼び集めたのであった。百両の家作料と三カ年の....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
場が、知らされて、遊里歓会をかたどった、舞台に出る。
師匠菊之丞が扮する、身を
商賈《しょうこ》にやつした藤原治世との色模様となる場面であった。
にぎわしい下....
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
暮しを工面する。ちょいと大使館書記官くらいな体裁にはなってしまう。「当代の文士は
商賈の間に没頭せり」と書いた Porto-Riche は、実にわれを欺かずである....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、富山で賑かなのは総曲輪という、大手先。城の外壕が残った水溜があって、片側町に小
商賈が軒を並べ、壕に沿っては昼夜交代に露店を出す。観世物小屋が、氷店に交っていて....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
兎、小なるは常の鼠のごとし、頭ことごとく白く、帯しむるに金枷《きんか》を以てす、
商賈《しょうこ》その国を経過するありて、まず祀らざれば人の衣裳を噛む、沙門の呪願....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
、随分と貧寒にはなったけれど、まだまだ莫大なものを埋蔵している。而もすべてに於て
商賈の市場で、金力の前には地下室がないのだ。但し、国際的性格のこの都市は、他国人....
「魔都」より 著者:久生十蘭
案を下した。
そもそも自分が最初|順化《ユエ》の宮殿で皇帝に拝謁した時、一介の
商賈《しゃうこ》にすぎぬこの自分に、殿下はわざわざ手を差しのべて優渥なる握手を賜....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
朱塗の大きな円卓《えんたく》をかこんで、格式張ったお役人ふうなのをひとりまぜ、大
商賈《おおどこ》の主人とも見える人体《じんてい》が四人、ゆったりと椅子にかけ、乾....
「志士と経済」より 著者:服部之総
宅の鉄物店に番頭と称して居ることになったがその後一年ばかり、本人手記によると、「
商賈《しょうこ》に変じ、陶朱公《とうしゅこう》たらんと欲し、屡々《しばしば》利貨....
「三国志」より 著者:吉川英治
ょう」 続いて、荀爽も、反対した。 「もし今、挙げて、王府をこの地から掃えば、
商賈は売るに道を失い、工匠は職より捨てられ、百姓は流離して、天を怨みましょう。―....
「三国志」より 著者:吉川英治
軍需品や金銀を貯えて、北面魏をうかがい、南面呉にそなえた。風を慕って、たちまち、
商賈や漁夫の家が市をなし、また四方から賢士剣客の集まって来るもの日をおうて殖えて....