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「商魂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

商魂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親子」より 著者:有島武郎
しかし父はその持ち前の熱心と粘り気とを武器にしてひた押しに押して行った。さすがに商魂で鍛え上げたような矢部も、こいつはまだ出くわさなかった手だぞと思うらしく、ふ....
道標」より 著者:宮本百合子
うのよ。これは社会主義だ、と思うのよ。だから、あとから段々木村さんが、イギリスの商魂《マーチャント・スピリット》ということを云い出してね。しまいに、労働問題でな....
ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
は、自然的公園の樹蔭をスコッチ・テリアをつれパイプとともに散策しつつ彼らの沈着な商魂《コンマーシャルマインド》を放牧した。スコッチ・テリアの鼻面は四角だ。手をの....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
本質をも語っているような感じです。善意でつくられている映画でもやっぱりそれだけの商魂で価値を低くされている如く、この牧師の善意もそういう少年を街上に放り出す社会....
桐生通信」より 著者:坂口安吾
★ 小工業と商業でもつ桐生はおのずから個人的な都市で、したがって商魂もたくましい。ウカウカすれば隣人の目の玉もぬく機敏さが露骨で、むしろ好感がも....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
百万円でいいのか」 「チェッ。大きなこと、言ってやがら。いくら命の瀬戸際だって、商魂を忘れちゃ実業家じゃないよ。息をひきとる瞬間まで値切ることを忘れないのが商人....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
そうですぜ。千坪からの花園をもってるそうでさア。花束を卸してるんだそうですなア。商魂抜群のアンチャンだそうで」 甚だ意外な話であった。 「それじゃア、愚連隊ど....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
つ買うの大ナマグサのせいであった。 けれども三休はおどろかない。坊主には惜しい商魂商才、生活力旺盛であるから、お経なんぞあげない方が稼ぎになろうというものだ。....
南国太平記」より 著者:直木三十五
四ツ本は、将曹の指令を受けて、退出してしまった。将曹は、欠伸《あくび》をして 「商魂士才で、如才が無い、薩摩の殿様お金が無い、か」 と、呟いて 「これは?」 ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
本をして文明の恩恵に浴さしめ、新時代を招来して、その波に乗って巨利を博そうという商魂志心《しょうこんししん》。 正座についている、精悍《せいかん》な顔つきをし....
鰻の話」より 著者:北大路魯山人
よい。天然うなぎがいないからではなく、それを獲るのに人件費がかかるからで、問題は商魂にある。養殖うなぎの値が天然のそれに比して高ければ、一般の人々は手を出さない....
三国志」より 著者:吉川英治
は致しません。困苦の底にいる万民にお頒ちください。それが私の希望であり、また私の商魂と申すものでございます」 玄徳や関羽は、彼の言を聞いて大いに感じ、どうかし....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
えて遠来のわれら凡夫を堪能させてくれるこの家のおばあさんの食牛育成における仏心即商魂は、なるほど辰野さんの随筆になりそうだ。鎌倉の久米先生、今先生、小島先生など....
俗臭」より 著者:織田作之助
でも権右衛門の家にごろ/\し、帳場に使われていた。他の兄弟の様な、生馬の眼をぬく商魂がなかったのだ。その代り、代用教員をやれるだけあって筆が立った。伝三郎にいわ....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
たから竹で畑に穴をあけてそれに芋づるをさした。どじょうは無尽蔵にいるようだった。商魂のつよい男が三人おった。彼らはこのどじょうを上方へ売りに行ったら大もうけにな....