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問屋場
「問屋場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
問屋場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
い。その運送に困った挙句に、それを鎧櫃に入れて行くということになりました。道中の
問屋場にはそれ/″\に公定相場と云うようなものがあって、人足どもにかつがせる荷物....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
続いて、すぐ街道と対い合った位置にある。別に入り口のついた会所(宿役人詰め所)と
問屋場の建物がそこにある。石垣の上に高く隣家の伏見屋を見上げるのもその位置からで....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
して来た彼だ。こんなに宿場の様子が案じられ、人のうわさも気にかかって、忰の留守に
問屋場の方まで見回ろうという心を起こしたのは、彼としてもめずらしいことであった。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
きわめると言われたころだ。街道付近の村々からは人足差配方の肝煎りが日々両三名ずつ
問屋場へ詰め、お定めの人馬二十五人二十五匹以外の不足は全部雇い上げとし、賃銭はそ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れからお濠の岸を、あっちへ行ったりこっちへ帰ったりしていました。 そうすると、
問屋場の方から五六人かたまって私語《ささや》きながらこっちへ来る者があります。そ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っていて、山からおろして来ると、すぐに人足の肩にかけて次の宿へ送り込む。その宿の
問屋場にも人足が待っていて、それを受け取ると又すぐに引っ担いで次の宿へ送る。こう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
通り、兵馬には一言の挨拶もなく、やがてまた、同じ駕籠を担ぎ出したところを見ると、
問屋場《といやば》ではなかったらしい。 かなり正午《まひる》とも覚しい頃、駕籠....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るだろうとの診立《みた》てで、かえって土地の人が安心しました。 こうして裸松は
問屋場へ担《かつ》ぎ込まれる一方、道庵、米友の二人は、多数の人に囲まれて、胴上げ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら、 『当宿は韮山様《にらやまさま》がお触れで、ひとり旅は泊めぬ』 と言うから、
問屋場へ寄って、起して宿を頼んだら、そいつが言いおるには、 『問屋が公儀のお触れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
苦労だが、代りに宰領をやってくれ、前の四頭《よっつ》は拘《かま》わねえから新宿の
問屋場へ抛《ほう》り込んで、このから尻だけは今夜のうちに、江川の邸へ着けてえんだ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
り、どこをどう先まわりして、いつひょっこり眼前へ現れないものでもないと、与吉は、
問屋場のお休み処を横目ににらんで、ひたすら痩脛《やせずね》をカッとばして来たのだ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
紅《つまべに》さした品川女郎衆の、素あしなまめかしいよい闇だけれど。
今宵は。
問屋場の油障子に、ぱっとあかるく灯がはえて、右往左往する人かげ。ものものしい宿場....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
「のう姐さん、もうおおかた、見当は着いているだろう。いかにも俺らは駕舁きだ。が、
問屋場に腰掛けていて、いちいちお客様のお出でを待って、飛び出すような玉じゃあねえ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、新納《にいろ》殿のところへ、飛脚を出したいから、一人、急いで、寄越すようにと、
問屋場へ、立寄って、註文して参れ、急ぐぞ」
三人は、命にかかわる、との言葉と、....
「森の石松」より 著者:山中貞雄
「尾張の桶屋の吉五郎」 「九番は」 「三保の松五郎」 「十番は」 「
問屋場の大熊」 「十一番は」 「よせやい、爺っつあん。俺の知ってるなァそれだ....