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啓上
「啓上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
啓上の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ません。飛脚屋へ出しても十日二十日ぐらいずつかゝります。読下して見ると、 一簡奉
啓上候余寒未難去候得共益々御壮健|恐悦至極に奉存候然者当屋敷|御上始め重役の銘々....
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
下男と雇婆の寝息を覗いながら屋敷を抜け出すと、門の扉へピッタリと貼紙をした。 「
啓上 石月平馬こと一旦、女賊風情の饗応を受け候上は、最早武士に候わず。君公師父の....
「疑問と空想」より 著者:寺田寅彦
ては、ほととぎすの声を「テッペンカケタカ」と聞いたり、ほおじろのさえずりを「一筆
啓上仕候」と聞いたりすることが、うっかりは非科学的だと言って笑われないことになる....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
りて無りし者をと蜘手に思い屈する時、先程の男|来りて再渡す包物、開て見れば、一筆
啓上|仕候未だ御意を得ず候え共お辰様身の上につき御|厚情相掛られし事承り及びあり....
「山の春」より 著者:高村光太郎
ほど多い。いちばんふつうに路ばたにいるのは、やはり頬白で、朝くらいうちから「一筆
啓上仕候」とやっている。 スミレ、タンポポ、ツクシ、アザミの類は地面いちめんを....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
猟師としては、憤れて来ますわね」 「憤れますとも」 「でも、頬白は、普通、『一筆
啓上仕る』と啼くのだそうでございます」 「物の啼き声は、聞きようによって、いろい....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
きましょう」
ちょっと切って、すぐ糸を繰《く》るように文案が出てきた。
一筆
啓上つかまつり候《そうろう》。当方は若松屋惣七と申す貸金取り立て業のものにござ候....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
た手紙で残っているものは次の五通である。駒込千駄木町五十七番地に寓居の時である。
啓上 文章会開会の議敬承仕候。小生も今月末までには「猫」のつづきをかく積りに候。....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
かかげる。原文はもちろん英文で、それに日本語の訳文を添えたものである。 以手紙|
啓上候。然者、去明治十一年六月七日、再造新富座開業之節、貴下ニ於テ在東京外国人ヲ....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
。殊に頬白などは囀りまでもかえたらしく、何だか一年増しに歌の声が短くなって、一筆
啓上|仕候などとは、聴いてもらえそうもなくなった。現在残っている幾つかの鳥の昔話....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
しては新らしかった。『物類称呼』は安永年間の書物であるが、あの中には関東で「一筆
啓上せしめ候」、遠江国においては ツントイツツブニシュマケタ というとある。小玉....