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啜り
「啜り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
啜りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
の。いやあなひとね。ここの中にはそりゃとても怖ろしい人が居るのよ。人間の生血でも
啜りかねない人がネ。今にわかるわ、畜生」 「すうちゃんは、人殺しをやった奴を知っ....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
ないということはどういうことを意味するのだろう。と考えたとき、奥の間で何だか女の
啜り泣くような声が一と声|二た声したような気がした。ハッとして思わず前身を曲げて....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
填っている、と言う事実を確かめていた。 やがて私達の食事が始まると、熱い紅茶を
啜りながら司法主任が喋り出した。 「事件は複雑ですが解決は容易ですよ。私は実地検....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
一樹だになし――娘時代のかの女の歌より)精神から見放しにされたまま、物足りなさに
啜り泣いていた豊饒な肉体――かの女が規矩男のその肉体をまざまざ感じたその日、かの....
「河明り」より 著者:岡本かの子
から思えば恥かしいようなもので、は、は、は、……」 そしてお茶の代りにビールを
啜りながら、扇を使っていた中老の社長は感慨深そうに、海を見詰めていたが、 「人間....
「大脳手術」より 著者:海野十三
と分った。しかし私は屈しなかった。 風邪を引込んだが、私は休まなかった。水洟を
啜りあげながら、なおも来る夜来る夜を頑張り続けた。さりながらその甲斐は一向に現わ....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
長のうしろで、ぱたんと扉のしまる音がした。と同時に、博士が扉の向うで、さめざめと
啜り泣くような声を聞いたと思ったが……。 4 南国の孤島において、醤....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
早いか、距離から云ってほぼ等しい銀座裏のジニアという喫茶店で落合い、そこで紅茶を
啜りながら積もる話を交わすことにしたのだった。これは大変名案だった。二人はすっか....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
事件が起ったのだろう。殺人事件か、それとも戦争か) さっき喫茶店リラで、紅茶を
啜りながら聴くともなしに聴いたラジオドラマは、将来戦を演出しているものだった。東....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
腰をおろした。そこには幸い僕の外に二三人の客のあるだけだった。僕は一杯のココアを
啜り、ふだんのように巻煙草をふかし出した。巻煙草の煙は薔薇色の壁へかすかに青い煙....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
母は何とか云いながら、良平の体を抱えるようにした。が、良平は手足をもがきながら、
啜り上げ
啜り上げ泣き続けた。その声が余り激しかったせいか、近所の女衆も三四人、薄....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
のかもしれない、あとは何もかもあいつ等に請負わせて、自分一人でキレイさっぱりと」
啜り泣きの声がますます大きくなってきたので、彼はまたも立上り、門幕を潜り出て、「....
「暗号数字」より 著者:海野十三
七台ある球台が、どれもこれも一杯だった。帆村はやむなくゲーム取が持ってきたお茶を
啜りながら、台のあくのを待つよりほかなかった――という気持で、これ幸いと、場内の....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
ったので、勝手知ったお茶人が、そのお菓子を買って来て同席の人たちに配って、お茶を
啜りながら、腰をおちつけて世間話に花を咲かせたものである。 江戸の床屋が町人の....
「活人形」より 著者:泉鏡花
が、妖艶なることはいわむ方無し。美人は正坐に堪えざりけん、居坐乱して泣きくずおれ
啜り上げつつ独言よう、「ああ悪人の手に落ちて、遁げて出ることは出来ず、助けて下さ....