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喀
「喀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
白《こんがすり》らしい着物でも、ほとんど清太郎とそっくりである。しかしおとといも
喀血《かっけつ》した患者《かんじゃ》の清太郎が出て来るはずはない。況《いわん》や....
「彼」より 著者:芥川竜之介
か》り、ベッドの上に横たわったまま、おお声に彼等を叱《しか》りつけた、と同時に大
喀血《だいかっけつ》をし、すぐに死んだとか云うことだった。僕は黒い枠《わく》のつ....
「星座」より 著者:有島武郎
自分の肉体が病菌によって蝕《むしば》まれていきつつあるということを思い知らせた。
喀血《かっけつ》の前にはきっとこの感じが先駆のようにやってくるのだった。
清逸....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。
支那青海省の南部チベット境を縫い、二万五千フィート以上の高峰をつらねる巴顔
喀喇《パイアンカラ》山脈中に、チベット人が、「|天母生上の雲湖《ハーモ・サムバ・....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
てしまえば、命などはちっとも惜しくはございません」と、いった。 新一郎が、突然
喀血したのは、それから間もなくであった。蒲柳の質である彼は、いつの間にか肺を侵さ....
「振動魔」より 著者:海野十三
右策とは切っても切れない患者と主治医じゃありませんこと。あなたの血液型なんかその
喀痰からして、もう夙くの昔に判っていることでしょうよ」 「ああ、それでは貴女はこ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
◯徹郎君より長文の手紙来る。目下の心境を綴りて悲憤す。同情にたえず。 ◯起きる。
喀血はようやくおさまりたるもののごとし。 ◯庭に月光白し。 もう空襲もなく、静....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の冥路の国。 三、支那青海省の“Puspamada”いわゆる金沙河ヒマラヤの巴顔
喀喇山脈中の理想郷。 四、? 第一のアマゾン河奥地というのは「神々の狂人」と訳....
「易と手相」より 著者:菊池寛
不幸があるという兇相が現われたのである。駭いて帰郷の支度をしているとき、彼自身が
喀血して死んだと云うのである。掌中の兇相は自分自身の身上であったことに気がつかな....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
郎に、あちらへ行けと申しました。兄が、急に苦しくなったと云い、すぐ洗面器に半分程
喀血いたしました。 またある日。 私と信二郎と叔母と春彦とブリッジに夢中にな....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ですが、僕の経験だと、手紙によつては、意外に大きなショックを与えられますから……
喀血の久しく止つていた患者が、ある種の内容の手紙を読んだとたん、大
喀血をした例も....
「吉岡芳兼様へ」より 著者:織田作之助
来たのです。ここで「赤い」といったのは「恐怖」の表現です。この「赤」は佐伯の頭に
喀血の色と見えるのです。 冒頭の一節、「古雑布」「古綿を千切る」「古障子」など....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
ない理由といって別に深い理論を訊き出そうとするのではなかった。二度も続いて起った
喀血で、死の恐怖に縮み上ってしまった政枝はどうせ死ぬことに決った自分なら、肺患者....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
「どうか成さいまして?」 ぼくは勿論返答出来なかった。ただじっと息をこらして、
喀血の止まるのを待っていた。二三度吐いた。全く情無かった。
喀血その事よりも、見知....
「雨」より 著者:織田作之助
そう思うことによって豹一は自らをさげすみ、又、女をさげすんだ。 三日経つと再び
喀血した。重態ときかされ、自分の過去を振りかえって見た。絶えず自分の存在をたしか....