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「善悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

善悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
曲を。彼はその冷たい光の中にやっと彼の前に展開する人間喜劇を発見した。いや、或は善悪を分たぬ彼自身の魂をも発見した。それは人生には限らなかった。彼は本所の町々に....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
「いえ、質疑ではございません。ございませんが、実は私一身のふり方につきまして、善悪とも先生の御意見を承りたいのでございます。と申しますのは、唯今からざっと二十....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
はございますまい。しかし調達が出来るかどうか、半信半疑の境《さかい》にいた時は、善悪も考えずに居りましたし、また今となって見れば、むげに受け取らぬとも申されませ....
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
し善いものならば売れるでしょう?」 老人「さあ、それもどうですかね。一体野菜の善悪は片輪《かたわ》のきめることになっているのですが、……」 僕「どうしてまた....
河童」より 著者:芥川竜之介
のの支配をも受けない、芸術のための芸術である、従って芸術家たるものは何よりも先に善悪を絶《ぜっ》した超人でなければならぬというのです。もっともこれは必ずしもトッ....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
、勿論、何故老婆が死人の髪の毛を抜くかわからなかった。従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいか知らなかった。しかし下人にとっては、この雨の夜に、こ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
す。諸君は赤らんだ麦藁帽《むぎわらぼう》のように旧時代を捨てなければなりません。善悪は好悪を超越しない、好悪は即ち善悪である、愛憎は即ち善悪である、――これは『....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
活動の都府とだけ呼ぶ。この活動の都府の道路は人もいうごとく日本一の悪道路である。善悪にかかわらず日本一と名のつくのが、すでに男らしいことではないか。かつ他日この....
婦系図」より 著者:泉鏡花
攫われたような思いで乗ったのが、この両国行―― なかなか道学者の風説に就いて、善悪ともに、自から思虜を回らすような余裕とては無いのである。 電車が万世橋の交....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
はない代りに天使でもない。私にあっては霊肉というような区別は全く無益である。また善悪というような差別は全く不可能である。私は凡ての活動に於て、全体として生長する....
」より 著者:池谷信三郎
念に対して被告はどういう解釈を下すか。 答。もし彼女が貞操を守るとしたら、それは善悪の批判からではなく、一種の潔癖、買いたてのハンケチを汚すまいとする気持からな....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
す。それに、墨の法衣の絵具が破れて、肌の斑兀の様子なんざ、余程|凄い。」 「招も善悪でござりまして、姫方や小児衆は恐いとおっしゃって、旅籠屋で魘されるお方もござ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、何とか良い工夫はないものかと頭脳を悩ましたことであった。むろん人間には、賢愚、善悪、大小、高下、さまざまの等差があるので、仏教の方便も穴勝悪いものでもなく、迷....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
には、週期的に争闘が起るものであるが、霊的眼光を以てこれを考察すれば、畢竟それは善悪の霊と霊との争闘である。すべて世の乱れるのは、未発達なる霊魂の数が不釣合に多....
歯車」より 著者:芥川竜之介
的欲望もずいぶん烈しいし、……」 「善人かと思えば、悪人でもあるしさ」 「いや、善悪と云うよりも何かもっと反対なものが、……」 「じゃ大人の中に子供もあるのだろ....