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「善美〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

善美の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
かねてこうと大かたは想像して来た賓客《まろうど》たちも、予想を裏切らるるばかりの善美の饗応《もてなし》には、そのやわらかい胆《きも》をひしがれた。あるじは得意で....
小田原陣」より 著者:菊池寛
を握り、威儀堂々と馬に乗って洛中を打ち立った。それに続く近習や伽衆、馬廻など、皆善美を尽した甲冑を着て伊達を競ったから、見物の庶民は三条河原から大津辺迄桟敷を掛....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
まった部屋の前へ出たが、飾り立てた部屋部屋の様子、部屋を繋いだ廻廊の態、まことに善美を尽くしたもので、士太夫の邸と云ったところでこれまでであろうと思われた。それ....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ルスは宮殿の崇高なるにも、心を動かされなかった。彼に取っては荒野に近い崩れ家も、善美を尽くした石造の宮殿もまったく同様であったので、相変わらず無関心に進み入った....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
完全にアロハをぬいでいた。なつかしのノスタルジイと合作し、いとも優美な生活芸術の善美結構つくせる姿を示していたのである。 予言にしたがって、諸君をそこへ案内す....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
現われた。 これだけでは異様とは云えまい。 しかるにその後から蒔絵を施した、善美を尽くしたお勝手|箪笥が、これも四人の武士に担がれ、門から外へ出たのである。....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
右衛門はこう云って腰を上げようとした。 ここは長崎海岸通り大通詞丸山作右衛門の善美を尽くした応接間であるがここを紋太郎が訪問したのは、作右衛門と初めて逢った日....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
であった。駕籠が第一に異様である。大大名のお姫様が、外出の場合に使用するような、善美をきわめた女駕籠であって、塗りは総体に漆黒で、要所要所に金銀の蒔絵が、無比の....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
其名目を弄んで精神を味ねば駄目と云う迄である、予が殊に茶の湯を挙たのは、茶の湯が善美な歴史を持って居るのと、生活に直接で家庭的で、人間に尤も普遍的な食事を基礎と....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
をもって理想とし、情は美をもって理想とし、意は善をもって理想としている。しかし真善美の理想は終極するところ一つの理想すなわち人生終極の理想で Sollen の因....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
あるいは門の内には七宝自然の宝堂、玉殿あり、其殿に在する方々は神か菩薩のごとき真善美を備え給うなり。かかる美しき門に入るは実に無上の幸いと喜びの基を成すの始めな....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
の良能の程度はいい尽されない恨みがある。それでも強いて一言でいって見るならば、真善美が兼ね具わっているというの他はない。かようの良能の書が生れ出たゆえんのものは....
文化線の低下」より 著者:小川未明
、精神的方面を閑却するために、文化戦線は低下したと言えるでありましょう。人間は、善美の理想に向って、克己奮闘する時こそ、進歩も向上も見られるけれど、雷同し、隷属....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
価値をところを換えず即座に見出させようとする教法であります。このために、あらゆる善美な宗教的儀式軌則はもとより、芸術をも採用されたのであります。これ最も高遠なる....
和製椿姫」より 著者:大倉燁子
疲れた顔に直接光線があたらないように工夫してあった。小さい部屋ではあるが、それは善美をつくしたもので、美耶子はレースの覆いのかかった羽根枕に満足そうな横顔をつけ....