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喉
「喉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
同情してくれたのに相違ございません。それがどう云うものか、云おうとするとたちまち
喉元《のどもと》にこびりついて、一言《ひとこと》も舌が動かなくなってしまうのでご....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
に、一層《いっそう》他人を俗にする事だ。小えんの如きはその例じゃないか? 昔から
喉《のど》の渇《かわ》いているものは、泥水《どろみず》でも飲むときまっている。小....
「影」より 著者:芥川竜之介
らない陳彩であった。これは房子だった「物」に重なりながら、爪も見えないほど相手の
喉《のど》に、両手の指を埋《うず》めていた。そうしてその露《あら》わな乳房《ちぶ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
甚太夫がわざと受太刀《うけだち》になった時、奮然と一本突きを入れた。甚太夫は強く
喉《のど》を突かれて、仰向《あおむ》けにそこへ倒れてしまった。その容子《ようす》....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
には、紅い芙蓉《ふよう》が何十株《なんじっかぶ》も、川の水に影を落している。僕は
喉《のど》が渇《かわ》いていたから、早速その酒旗の出ている家へ、舟をつけろと云い....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
をはやしたのさ。おれでさえこのくらいだから、お前なぞが遇《あ》って見ろ。たちまち
喉笛《のどぶえ》へ噛みつかれるぜ。まず早い話が満洲犬《まんしゅうけん》さ。」
....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
実見者の談によれば、格闘中同人が卓子《テエブル》と共に顛倒するや否や、首は俄然|
喉《のど》の皮一枚を残して、鮮血と共に床上《しょうじょう》に転《まろ》び落ちたり....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
たたないうちに半之丞は急に自殺したのです。そのまた自殺も首を縊《くく》ったとか、
喉《のど》を突いたとか言うのではありません。「か」の字川の瀬の中に板囲《いたがこ....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ちの返事などには、注意しない。折からウェエタアが持って来たウイスキイで、ちょいと
喉《のど》を沾《うるお》すと、ポケットから瀬戸物のパイプを出して、それへ煙草をつ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
がいす》に寝ころび、この一本のマニラに火をつけ、夜もすがら気楽に警戒しよう。もし
喉《のど》の渇いた時には水筒のウイスキイを傾ければ好い。幸いまだポケットにはチョ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
俺はその疳走《かんばし》った声の中に確かに馬の笑ったのを感じた。馬のみならず俺の
喉《のど》もとにも嘶きに似たものがこみ上げるのを感じた。この声を出しては大変であ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
出来事と手を切ってしまいたいと私に思わせた。 私は毎日顔を剃りながら我とわが咽
喉をかき切ってしまおうという聞分けのない衝動を感じた。頬にシャボンの泡のついた、....
「初雪」より 著者:秋田滋
胸に擦りつけるのだった。 それから彼女は部屋に帰って寐た。一時間ばかりたつと、
喉のあたりがむずむずして来た。蟻がそのへんをぞろぞろ這っているような気持である。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
黒雲のようにむらがって飛んでいる。金色の翼の啄木鳥は紅のとさかと、幅のひろい黒い
喉当てと、すばらしい羽毛をつけている。連雀は、翼の先が赤く、尾羽の先は黄色く、羽....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
いようにとの心遣いから、そーッと子供に近寄って行った。傍へ行くと、やにわに子供の
喉首をつかんだ。……私は
喉を締めた。力一杯締めつけた。子供は怖い眼で私を睨んだ。....