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「喉音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

喉音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国語音韻の変遷」より 著者:橋本進吉
化を生じ、唇の合せ方が段々と弱くなり、遂には全く唇を動かさずして、これと類似した喉音hをもってこれに代えるようになった。京都方言では享保・宝暦頃には大体h音にな....
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
た、洞声《うろごえ》の発音――鈍い、よく釣《つ》りあいのとれた、完全に調節された喉音《こうおん》――に変ったりした。 私の訪問の目的や、私に会いたいという切望....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
と呼びあるく売り子の声が広大な停車場の穹状の屋根に響いて反射していた。そのrの喉音や語尾の自然な音韻が紛れもないドイツの生粋の気分を旅客の耳に吹き込むものであ....
一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
うもう埃が立ち舞った。そんなにひどくぶつけられ、やがて頸でも締められたらしく変な喉音が聴えた。亢奮して看守が監房から出て来た。 後から来た方の看守が黙って自分....
比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
である。アラビアなどとなると、だいぶこの置換が困難な問題となるが、しかしたとえば喉音のあるものは半数だけkかg、残り半数をhで代用するというような試験的便法を取....
五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」より 著者:宮本百合子
の若者だ。 ホテルの食堂で、英語、ドイツ語がロシア語と混って響くばかりでない。喉音の多い東洋語が活々とあっちこっちで交わされる。―― 十月革命が、各民族の根....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
きいということが云えず、アッコオバチャンと云い、コの音の出しようをクの間のように喉音で出します。 今年のうちに青山の墓地の始末をして父の墓標も立てなければなら....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ュクサンブールのぐるりには中国の留学生が多くて、あの人々のフランス語は自分の国の喉音や鼻音と共通なところがあるせいか、きわめて自在です。互に自分のことばで話さな....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
りであるかのように、切れぎれの流行歌やばかな反唱句などを口ずさんだが、しわがれた喉音《こうおん》のためにそれも悲しげに響いた。しかしそういう厚顔の下にも、言い知....
言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
あるのも不思議である。 〔(Ar.)gharib, ghuraba_〕「異常」は喉音のgをとると「わらふ」にも似てるし、hをbに変えると「べらぼう」のほうに近づ....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
やろう」 ユラリと一歩後へ引いた。 果して付け込んだ深見十三郎、 「むっ」と喉音潜めた気合。掛けると同時に一躍した。ピカリ剣光、狙いは胸、身を平めかして片手....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ていた。しかも賑やかなその声は、何かに酔ってでもいるように、濁った、だらしのない喉音である。 それから私は尚懲りずに、二、三の室の扉を叩いて見たがやっぱり返辞....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ハヒフヘホに濁りをつけてバビブベボやパピプペポをつくっているが、ハヒフヘホは喉音で、バ行パ行は唇音である。清音中でこれに相当する唇音はマミムメモあるのみであ....
日記」より 著者:宮本百合子
変な、何だか判らない呼売をして通って行く男がある。エー、ヤークレケキと云うような喉音。 渡辺氏は、博覧会に出かける。 蕾が出来、いつ咲くかいつ咲くかと思って....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
ゃないといったら!」 女主人の制止に、仕方がないと諦めたように、犬はウウッーと喉音を立てながら、後退りして行きました。が、驚破といえばまだ躍り蒐らんばかりの、....