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喉頭
「喉頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喉頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
僕自身も肉体的にしみじみ疲れていることを感じた。僕の叔父《おじ》は去年の十一月に
喉頭癌《こうとうがん》のために故人になっていた。それから僕の遠縁の少年はこの正月....
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
地のするのは、晶明、透徹のその水、自分にあっては聖書にも見えない創造の水、哲人の
喉頭にも迸《ほとばし》らない深思の水、この水を描いて見よう。
二
....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
だった。 松木は、息切れがして、暫らくものを云うことが出来なかった。鼻孔から、
喉頭が、マラソン競走をしたあとのように、乾燥し、硬《こわ》ばりついている。彼は唾....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
水の手紙を覚えている。 「これは僕の君に上げる最後の手紙になるだろうと思う。僕は
喉頭結核の上に腸結核も併発している。妻は僕と同じ病気に罹り僕よりも先に死んでしま....
「食魔」より 著者:岡本かの子
。さあ」 鼈四郎はフォークを妹娘の胸さきへ移した。 お絹は滑らかな頸の奥で、
喉頭をこくりと動かした。煙るような長い睫の間から瞳を凝らしてフォークに眼を遣り、....
「亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
う時は子供らは近づいてはいけない事になっていた。 春田は十二三年前に五十余歳で
喉頭癌のためにたおれた。私の見た義兄は、珍しく透明な、いい頭をもっていて、世態人....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
あたりに出ている人たちとよもやまの話をした。大体にこの病棟には重い人がいるので、
喉頭でどうしても臥ていられないと云うような、非常に重態の一人のほかにはあまり変っ....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
食欲でもないし、情欲でもない。肉体的とも精神的とも分野をつき止めにくいあこがれが、低気圧の渦のように、自分の
喉頭のうしろの辺に鬱して来て、しっきりなしに自分に渇きを覚えさせた。私は娘で、東....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
。依て亦両手の労を休まんとして両手を前にする時は、直に叺を両方より結びたる藁縄に
喉頭を押しめて呼吸|絶なんとして痛みあり。依て亦両手にて藁縄を下方に引く時は、喉....
「窃む女」より 著者:黒島伝治
じいっと耳を澄ますと、納屋で蓆や空俵を置き換えている気配がした。まもなく、お里が
喉頭に溜った痰を切るために「ウン」と云って、それから、小便をしているのが聞えて来....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
ある。次にちょっと耳新しいのはロシアの某医師が患者の咽喉の中へ紫色の電灯を点じて
喉頭の病を治した事である。その他、中耳や眼の治療にも電灯を用いる事があるそうな。....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
な毛で作った器械で除いてやって患者の老人が涙をこぼして喜んだことなどもある。まだ
喉頭鏡などの発明がなかった頃であるから、余計に感謝されたわけである。 今は医育....
「地上」より 著者:島田清次郎
出した寝様は、乱暴とのみ言えないものがあった。細面の、高い鋭い鼻筋、伸ばした喉の
喉頭に光は強く射していた。剥げかけた白粉と生地の青みがかった皮膚とが斑になり、頸....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
査せしめた。医師の鑑定によると、頸部前面の傷はたしかに人間の歯で咬まれたもので、
喉頭軟骨が砕けて居るところを見ると、咬まれたとき歯をつよく押しつけられて窒息した....
「落日の光景」より 著者:外村繁
長さんかどうかは知りませんが、立派な紳士で、筋向いの個室に入っていられますのよ。
喉頭癌のようですけれど」 「すると、お二人とも、もう大丈夫だと言えそうですね。こ....