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喊声
「喊声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喊声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の音は次第に高くざわめき立って、とうとう戦《たたかい》でも起ったかと思う、烈しい
喊声《かんせい》さえ伝わり出した。これにはさすがの老人も、いささか意外な気がした....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
年を利用したパノラマでしかなかったことが暴露されたのだった。 外には、どうやら
喊声があがっているような気配だった。 だが、どうしたのか、孫も王も、それからマ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
が、集って来た。 頃合はよかった。 「突撃だッ。一イ、二ウ、三ッ!」 ワッと
喊声をあげて、一同は手に手に、拳銃を持って、飛び出した。扉らしいものを、いきなり....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
のか。 ◯すさまじい空戦の音、地上火器の入り乱れる音、それにまじってどこかの群の
喊声が聞こえる。爆弾らしい地響きもちょいちょいした。消防サイレンも聞こえる。 ....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
。 かねて打合せてあった小早川隆景の軍隊は、本軍の鬨の声を聞くと、これも亦|大
喊声をあげて前面から攻撃した。大和伊豆、三浦越中、弘中三河守等の勇将は、敵は少し....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
狗ヶ瀬を渡った甲軍も、謙信の旗本の背後にむかって猛進した。今や迂廻軍が敵の背後で
喊声をあげているのを聞いた信玄の旗本軍も、士気|頓にふるい、各将は「先手衆が来た....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
進めた。十四日の午前六時、号砲三発山に木魂すると共に、官軍の先鋒は二俣口望んで、
喊声を挙げる。歩兵に左右を衛られた中央部隊は、暁暗に白く大刀をひらめかして居る。....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
るものだったと思う。 七日、秀吉は総攻撃を命じて居る。全軍一斉に銃射を開始し、
喊声を響かし、旗幟を振って進撃の気勢を示した。水軍も亦船列を整えて鉦、太鼓を鳴ら....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
墜だ。わが防空陣地の勝利だ!」 と、地上にわずかに砲口を見せている高射砲部隊は
喊声をあげた。 地底深き司令部には、ラック大将が、テレビジョンによって、この戦....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
。それを見すまして、檣のうえに避難していた連中は、どどっと下りた。一同は、わっと
喊声をあげて、古谷局長と貝谷の隠れているところへ、駈けこんできた。 「ありがとう....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ぎつぎに起る不審な出来事に、小首をかしげたが、そのとき後にあたって、わーっという
喊声が聞え、それと同時に、ぴゅーんと一発の弾丸が頭の上をかすめてすぎた。 「見つ....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
あの寂寞の中に馳け廻る猛士を慰め、彼等をして思いのままに前進せしめたい。わたしの
喊声は勇猛であり、悲哀であり、いやなところも可笑しいところもあるだろうが、そんな....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
がら、一斉に手を挙げるが早いか、いたいけな喉を高く反らせて、何とも意味の分らない
喊声を一生懸命に迸らせた。するとその瞬間である。窓から半身を乗り出していた例の娘....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
人たちは、いずれも両脚を張ってはいるが、ともすると泡立つ海、波濤の轟き、風の
喊声に気怯じがしてきて、いつかはこの蒼暗たる海景画が、生気を啜りとってしまうので....
「競馬」より 著者:犬田卯
。町の郊外にある競馬場は、もう人で埋っていた。すでに何回かの勝負があったらしく、
喊声や、落胆の溜め息や、傍観者の笑いさざめきなどが、ごっちゃになってそこから渦巻....