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喘
「喘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
を繰返した。男の頭のどこかには、未《いまだ》に瀕死《ひんし》の赤児が一人、小さい
喘《あえ》ぎを続けている。と思うとその
喘ぎは、いつかまた泣き声に変ってしまう。雨....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
ていた鼻は、ほとんど嘘のように萎縮して、今は僅《わずか》に上唇の上で意気地なく残
喘《ざんぜん》を保っている。所々まだらに赤くなっているのは、恐らく踏まれた時の痕....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ますやら、御池の水が見る間に干上《ひあが》って、鯉《こい》や鮒《ふな》が泥の中で
喘《あえ》ぎますやら、いろいろ凶《わる》い兆《しらせ》がございました。中でも殊に....
「影」より 著者:芥川竜之介
いた。
何分かの沈黙が過ぎた後《のち》、床《ゆか》の上の陳彩は、まだ苦しそうに
喘《あえ》ぎながら、徐《おもむろ》に肥《ふと》った体を起した。が、やっと体を起し....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
か》りに似た赤光《しゃっこう》が、どこからとも知れず流れ出した。オルガンティノは
喘《あえ》ぎ
喘ぎ、この光がさし始めると同時に、朦朧《もうろう》とあたりへ浮んで来....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
袋は眉をひそめながら、熱心に耳を澄ませていた。が、やがて話が終ると、甚太夫はもう
喘《あえ》ぎながら、「身ども今生《こんじょう》の思い出には、兵衛の容態《ようだい....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
頭部のあたりに、種々《しょうしょう》たる胡麻塩《ごましお》の髪の毛が、わずかに残
喘《ざんぜん》を保っていたが、大部分は博物《はくぶつ》の教科書に画が出ている駝鳥....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
一しょに、並べ切れないほど並べてある。――母は上眼《うわめ》にその盆を見ながら、
喘《あえ》ぐように切れ切れな返事をした。
「昨夜《ゆうべ》、あんまり、苦しかった....
「白」より 著者:芥川竜之介
あん。助けてくれえ！ きゃあん。きゃあん。助けてくれえ！」
二
白はやっと
喘《あえ》ぎ
喘ぎ、主人の家へ帰って来ました。黒塀《くろべい》の下の犬くぐりを抜け....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ていた。
するとほどなく部落から、逃げて来たらしい七八人の男女《なんにょ》が、
喘《あえ》ぎ
喘ぎ草山へ上って来た。彼等のある者は髪を垂れた、十《とお》には足りな....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
後に社宅へ帰った後《のち》も、――何《なん》でも常子の話によれば、彼は犬のように
喘《あえ》ぎながら、よろよろ茶の間《ま》へはいって来た。それからやっと長椅子《な....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
やろうと思っている」 婆さんは呆気にとられたのでしょう。暫くは何とも答えずに、
喘ぐような声ばかり立てていました。が、妙子は婆さんに頓着せず、おごそかに話し続け....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
もはっきりわかった。井戸端に水を汲んでいる女衆や、畑から帰って来る男衆は、良平が
喘ぎ
喘ぎ走るのを見ては、「おいどうしたね？」などと声をかけた。が、彼は無言のまま....
「初雪」より 著者:秋田滋
まで歩いて行った。ほんの二十歩ばかり歩いただけなのに、もう疲れてしまったらしい、
喘ぐような息遣いをしながら、そのベンチに腰を下ろした。蒼ざめた顔はこの世のひとの....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
外見煉瓦蒸暑きこと言わん方なく、蚤の多きことさながらに足へ植えたるごとし。呉牛の
喘ぎ苦しく胡馬の嘶きを願えども甲斐なし。夜はなおさら昼のホテリの残りて堪えがたけ....