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喚く
「喚く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喚くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
惣助と云う魚河岸の大問屋が、別荘にするってよ、五百両敷金が済んでるんだ。帰れ、と
喚くと、驚いて出て行ったっけ、はははは、どうだね、気に入ったろう、先生。」 「悪....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
て、とんと尻餅を支くと、血声を絞って、 「火事だ! 同役、三右衛門、火事だ。」と
喚く。 「何だ。」 と、雑所も棒立ちになったが、物狂わしげに、 「なぜ、投げる....
「海異記」より 著者:泉鏡花
大きな泡が立つように、ぼッと光らあ。 やあ、火が点れたいッて、おらあ、吃驚して
喚くとな、……姉さん。」 「おお、」と女房は変った声音。 「黙って、黙って、と理....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
たのが第一番の半畳で。 一人口火を切ったから堪らない。練馬大根と言う、おかめと
喚く。雲の内侍と呼ぶ、雨しょぼを踊れ、と怒鳴る。水の輪の拡がり、嵐の狂うごとく、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
店の前まで参った時じゃ、と……申します。 やい、枕をくれ、枕をくれ、と嘉吉めが
喚くげな。 何|吐すぞい、この野郎、贅沢べいこくなてえ、狐店の白ッ首と間違えて....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
も暗くなる端に、べろべろと紙が濡れて、門の腰障子に穴があいた。それを見咎めて一つ
喚く、とがたがたと、跫音高く、駈け退いたのは御亭どの。 いや、困った親仁が、一....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
幕を開ける外はない、と松崎の目にも見て取られた。 「頼むぜ頭取。」 頬被がまた
喚く。 六 あたかもその時、役者の名の余白に描いた、福面女、瓢箪....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
。 「いいえ爺さんですがね、一人土間で草鞋を造っていましてね。何だ、誰じゃいッて
喚くんです。」 「いや、それは恐縮々々。」 「まことに済みません。発起人がこの様....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
行く、雑談は始まる、茶をくれい、と呼ぶもあれば、鰻飯を誂えたにこの弁当は違う、と
喚く。下足の札をカチカチ敲く。中には、前番のお能のロンギを、野声を放って習うもご....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
無礼もの!」 社務所を虎のごとく猛然として顕れたのは摂理の大人で。 「動!」と
喚くと、一子時丸の襟首を、長袖のまま引掴み、壇を倒に引落し、ずるずると広前を、石....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
が不可い。その騒ぐ事、暴れる事、桟敷へ狼を飼ったようです。(泣くな、わい等、)と
喚く――君の親方が立女形で満場水を打ったよう、千百の見物が、目も口も頭も肩も、幅....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
と、目をぱっちり、ちょっと、一見得。 黒鴨の俥夫が、後から、横から、飛廻って、
喚くを構わず、 「チンツン、さすがの勇者もたじたじたじ、チチレ、トツツル、ツンツ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
の剛情者め。どうしても返事をしなければ、約束通り命はとってやるぞ」 神将はこう
喚くが早いか、三叉の戟を閃かせて、一突きに杜子春を突き殺しました。そうして峨眉山....
「狂女」より 著者:秋田滋
そうとすると、そのたびに、今にも殺されでもするかと思われるように、声をたてて泣き
喚くのだった。まったく手がつけられない。で、この女はしょッちゅう寝かしっきりにさ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
くむくと湧いて、波を立てて、うねって起きた。 (泥棒。) (どッ、泥棒。) と
喚くや否や、狼のように人立して、引包んで飛かかった。 (あれえ。) (阿魔ちょは....