喜ばせる[語句情報] » 喜ばせる

「喜ばせる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

喜ばせるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
た。 葉子はしかしなんといっても自分が望みうる幸福の絶頂に近い所にいた。倉地を喜ばせる事が自分を喜ばせる事であり、自分を喜ばせる事が倉地を喜ばせる事である、そ....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
てホーテンスの盃に琥珀色《こはくいろ》の液体を注ぎそえた。 「有難う。まず君達を喜ばせるだろうと思うことは、あのゼムリヤ号は最新鋭の砕氷船《さいひょうせん》だと....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
も、太陽系の外方にある遊星に多数の衛星のあるのは、つまりそれら遊星の幸福な住民を喜ばせるためである。それはなぜかと言えば、彼らの間では恐らく美徳が無際限に行われ....
」より 著者:海野十三
る範囲では見当らなかったのだ。会主は彼が本気で実演してくれれば、どんなにか会員を喜ばせる映画が出来るか、それを知っていたのだ。むろん彼女は、新宅の建築費の十倍に....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
しまった。彼は一種の殺人鬼となって、江戸の男や女を斬ってあるいた。そうして、妻を喜ばせるばかりでなく、それが男の血であるか、女の血であるかを言い当てさせるのも、....
恐竜島」より 著者:海野十三
くたって、彼は何となく筏の端から、うす青い海面を眺めていると、彼をおどりあがって喜ばせるものが目にはいった。棒らしいものがある。それは水面下にかくれていたので、....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
は誰でも一生のうちに口にする事もあろうが、人間がそれを口にしたところで、何が心を喜ばせるのか、苦しませるのか、相手に理解させることは出来ないものである。 顔や....
異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
ラントは一体何千軒あるか判らない。 牛の脊髄のスープと云ったような食通を無上に喜ばせる洒落た種類の料理を食べさせる一流の料理店から葱のスープを食べさせる安料理....
露肆」より 著者:泉鏡花
口調で、眼鏡の下に、一杯の皺を寄せて、髯の上を撫で下げ撫で下げ、滑稽けた話をして喜ばせる。その小父さんが、 「いや、若いもの。」 という顔色で、竹の鞭を、ト笏....
黒百合」より 著者:泉鏡花
かしいのね、忙いって何の事だい。」 「だから待ちねえ、見せるてこッた、うんと一番喜ばせるものがあるんだぜ。」 「ああ、その滝さんが見せるというものは、何だか知ら....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
います。母はまだ乳のしずくの残っている可愛らしい薔薇色の口に接吻をしたり、子供を喜ばせるためにいろいろあやしてみたり、母だけしか知らないような種じゅ様ざまな尊い....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
あとではあらかた忘れてしまい惜しいとも思わなかった。いわゆる囘憶というものは人を喜ばせるものだが、時にまた、人をして寂寞たらしむるを免れないもので、精神の縷糸が....
少年の日の悲哀」より 著者:小川未明
た。また、小川に連れていって、ボンを水の中に入れて毛を洗ってやったりして、ボンを喜ばせるのをも楽しみの一つとしているのです。 三郎は、独り犬ばかりでない猫もか....
消えた美しい不思議なにじ」より 著者:小川未明
界に送ったのも、けっしてある人々だけを楽しませるためではなかった。みんなのものを喜ばせるためであった。それが、ある人々だけをあんなに幸福にさせ、ある人々をあんな....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
値のある理想を刻々に取り出すのです。そうすることによって、悲しかったことも自分を喜ばせることであったことが解り、不満であったことも自分を進歩させるもとであったこ....