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喜劇的
「喜劇的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喜劇的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
見回しているところであった。 この場合は悲劇的であるかもしれないが、またひどく
喜劇的であるかもしれない。そんな事を考えながらスーツケースを右手にぶらさげてぶら....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
ユーモアとは、現象の見方にある。人生に、到る処に絶えない数限りなき悲劇的現象を、
喜劇的に見たものがユーモア小説なのである。だから需要は常にありながら作者が非常に....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
ければならない。この場合の社会心理学の宿命から云って、この多少悲劇的な乃至は寧ろ
喜劇的な結末は必然であった。 * 「心の構造と作用に関して確実な真理の体系を建設....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
せたようです。 当の兵部の娘さえ、笑って問題にしないくらいだから、むしろ一種の
喜劇的人物の点彩を加えたようなもので、この一座の藹々《あいあい》たる家庭ぶりの中....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
の全身は海綿だ。 なんという盛大なこの吸収慾! 何たる、by the way,
喜劇的にまで「カメラの用意は出来ました」こころもち! なによりもさきに、私は町....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
な近代社会に、何とかして無理にも史的境界と、その尊厳を保とうとする国家なるものの
喜劇的重大性が、無関心な流行者の哀愁にまで立ち罩めていた。それは私に、戦線のにお....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
アノの蓋を乱暴にあけると、ショパンの別れの曲を弾き出した。感傷じみた自分の行為が
喜劇的に思われた。私は同じモチーフのくりかえしを何度もつづけながら 「全く複雑の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。彼らの心の純潔さは、たいていきわめて現実的であり、高尚で率直であり、時としては
喜劇的であったが、不幸にもある場合には悲劇的となった。その心の純潔のために彼らは....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
宇野浩二は聡明の人である。同時に又多感の人である。尤も本来の
喜劇的精神は人を欺くことがあるかも知れない。が、己を欺くことは極めて稀にしかない....
「株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
のいい顔は、自然に愉快さで満されていたが、しかしその口の端には、彼が半分はむしろ
喜劇的な不幸のためにすっかり沈んでいるらしい所が見えた。もっとも彼がどんな不幸に....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
女丈夫プロス女史や、後に出て来る弁護士ストライヴァー先生と共に、この物語における
喜劇的人物である。自ら「実直な商売人」と称する彼が、温順にして敬虔な細君の祈祷に....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
人生観をもつてすれば、現代社会はそのまま「喜劇」であり、「現代人」は、宿命的に「
喜劇的存在」であるという皮肉な現実主義の宣言にひとしいように思われるけれども、一....
「笑について」より 著者:岸田国士
す。 私はこれまでいろ/\な優れた喜劇を読んだり、見たりしましたが、人間の最も
喜劇的な性格とは一体どんなものだろうか。こういうことを考えて見ましたが、それはど....
「魔都」より 著者:久生十蘭
の紙片は、ついさっきの二度の活劇の立役のポケットから落ちたものと思うほかはない。
喜劇的な恰好で壁土の中へ尻を埋めたまま、真名古はその紙片を拾い上げて折目をひらく....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
感覚になって来た。もうじきそこに刀が突立てられるだろう。そしてその皮膚の切口から
喜劇的な粒米がぼろぼろ現れたら世界一恥かしいことだ。 「そのときおれはどうしたら....