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喜捨
「喜捨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喜捨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
それにつれて、祈祷の告知だった美しい鐘声も古めかしい時鐘となってしまい、かぼそい
喜捨を乞い歩く老ラザレフの姿を、時折り街頭に見掛けるのであった。 さてこうして....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
なさる説教というものはありがたいものですな。おかげで世間に悪人がなくなりますよ。
喜捨、供養をすれば罪が滅びると教えてくださるので、皆喜んで米やお金を持って行きま....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
て、俥夫と、保安隊士を等分に呶鳴りつけていた。 どす黒い俥夫は、煙草屋の主人が
喜捨した哈達門(紙巻の名称)を一本ぬいてくわえさした。デボチンは、それを噛んでは....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
マホメットのはじめた宗教。唯一神アッラーを信じ、日に五回の礼拝を行い、斎戒をし、
喜捨を寄せ、メッカへの巡礼をするイスラム教徒は、イスラムを唯一の正信と信じ、その....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
乞丐の徒には相違なきも、強ち人の憐愍を乞わず、かつて米銭の恵与を強いしことなし。
喜捨する者あれば鷹揚に請取ること、あたかも上人が檀越の布施を納むるが如き勿体振り....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
石屋が方へ行かれたげじゃ。 のう、先生様は先生様、また難有いお方として、浄財を
喜捨なされます、その奥様の事いの。 少い身そらに、御奇特な、たとえ御自分の心か....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
する諸人の信仰も尊敬もだんだんに薄れて来た。僕の家ではその後も相変わらず米や銭を
喜捨していたが、村の或る者はかの尼が托鉢の鉦を鳴らして来ても、顔をそむけて取り合....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を伝ってくる人、そして、里の人には姿を見せない参詣人が多いのですよ。我々に多分に
喜捨してくれるのは、むしろ概ねこの人々です。日中はあまり姿を見せません。暗くなる....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
な話をしている間に、ひどく年をとった僧が大きな銅盤を礼拝者の前に差し出しながら、
喜捨の金を集めに来ました。礼拝者たちは交るがわるにその中へ、遠い以前から通用しな....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ました。また西田天香氏もその約束を信じて現に出家の生活を持続しています。他人から
喜捨されたものを、神の賜物として感謝して受けて暮らしています。私はこの頃この生活....
「審判」より 著者:カフカフランツ
な絵を持ってくるんですが、――まるで乞食みたいなもんですよ――私はいつでも一種の
喜捨をやっています。ともかく好ましい絵でして、荒野の風景とかそういったものなんで....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
すけれども……。
チベットの大蔵省はただ租税を取扱うばかりでない。寄付金または
喜捨の金品も取扱うです。釈迦堂へ何を上げて来ても、あるいは大法会の時分に、僧侶に....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
万ポンド(一億四千万円)なり。以上の入金のほか、一八八七年中の表によるに、有志の
喜捨金(賽銭・志納の類)三十二万二千五十八ポンド、座料(寺院内の席税)六万三千四....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
寺建立に寄附を勧めて行くもあり、働き顔に上人の高徳を演べ説き聞かし富豪を慫慂めて
喜捨せしむる信徒もあり、さなきだに平素より随喜|渇仰の思いを運べるもの雲霞のごと....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
から散所の法師と呼ばれ、しかもその散所の法師が念仏読経の手段によって、慈悲善根の
喜捨をのみ的にしては、生活に困難を感ずるに至って、身を雑色の仲間に投じたものが散....