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「喜楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

喜楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
ほう》けたような表情をしたあとから、いくらでも快活に喋舌《しゃべ》り出す。 新喜楽のまえの女将《おかみ》の生きていた時分に、この女将と彼女と、もう一人新橋のひ....
永日小品」より 著者:夏目漱石
あ》わなくなった。すると今年の一月の末、突然使をよこして、話がしたいから築地の新喜楽《しんきらく》まで来いと云って来た。正午《ひる》までにという注文だのに、時計....
聖書の読方」より 著者:内村鑑三
である、而かも信者は悲まないのである、信仰の先導者なるイエスは其の前に置かれたる喜楽に因りてその恥をも厭わず十字架の苦難を忍び給うた(同十二章二節)、信者は希望....
独房」より 著者:小林多喜二
ければならないのだ。 だが、さすがにこの赤色別荘は、一銭の費用もかゝらないし、喜楽的などころか、毎日々々が鉄の如き規律のもとに過ぎてゆくのだ――然し、それは如....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
あるに過ぎない。それをまた鴎外の文壇復帰の弁だとのみ思うのも皮相の見であろう。新喜楽の老婆の体のこなし方の好さから、多年|鍛われて来たその意気の強さまでが、さな....
一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
た。男女互に一人ずつ、共に有名な人物である。 女は当代の名物女とゆるされた故「喜楽」の女将《おかみ》おきんであった。男は政界の名物|法螺丸《ほらまる》と綽名《....
雨夜続志」より 著者:田中貢太郎
てちょっとした横町を右へ折れ曲って往くと、家の数で十軒も往った処の右側の門燈に「喜楽」と書いた、牛肉屋とかしわ屋を兼ねた小料理屋があった。山田は前にたって入って....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
っと稚気があり天真爛漫だったというなら、それは時代だけの違いである。戦時中よく新喜楽やとんぼの床の間に大きく構えたカーキ色の将軍が文化人を召し集めて高説を垂れて....
俗臭」より 著者:織田作之助
好男子ではなかったがあちこちでもてた。千日前楽天地(現在歌舞伎座)横町のカフェー喜楽の年増女給とねんごろになり、宝塚旧温泉で関係を結んだ。春美といって二十六歳、....
落日の荘厳に似る」より 著者:吉川英治
輪どおりもっともよい意味での明治人の象徴であった気がする。 いちどは、築地の新喜楽で一しょになり、その頃そろそろ、酒と湯とを半々にして飲んでおられたが、その席....