喜色[語句情報] » 喜色

「喜色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

喜色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ですねえ、いやに改まってさ。そう、そんなら私の志を受けてくださるの?」 美人は喜色満面に溢《あふ》るるばかりなり。 「お世話になります」 「いやだよ、もう金さ....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
開いたまま手帖を赤羽主任に手渡した。 と、見る見る赤羽主任の面には輝くばかりの喜色が漲った。 「これだ、犯人は判った!」 「えッ、犯人が判りましたか? あの、....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
その最後の情景を叙べて、『罪の重荷を投げ下して、恋しき故郷に旅立ち帰る心持にて、喜色満面勇み立ったその姿は、坐ろに立会の官吏達を感歎せしめざるはなかったと申しま....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
の為にあらゆる苦悩を味った訳であるから、此の日の主上及び諸将の面上に漂う昂然たる喜色は、想像出来るであろう。 かくて建武中興の眼目なる天皇親政の理想は、実現さ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
と門内へ這入った。 石子刑事は勇躍した。 さっきから様子を見ていた渡辺刑事も喜色を面に浮べながら、 「とう/\やって来たな、だがあいつは支倉じゃないね?」 ....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
ら、船がたくさん通るだろう。墜落しても大丈夫助かる」 とキンチャコフは、俄かに喜色をうかべていったが、なに思ったか、ポケットから例のピストルを出して六条につき....
月世界探険記」より 著者:海野十三
に美しく輝いているのであった。 「さアいよいよ来たぞ」と艇長はさすがに包みきれぬ喜色をうかべて云った。「じゃ大胆に『危難の海』の南に聳えるコンドルセに着陸しよう....
太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
をして忠勇を誓いました。誰の顔にも、見る見るうちに、盆と正月とが一緒に来たような喜色がハッキリと浮かび上りました。操舵手は舵機のところへ、魚雷射手は発射管のとこ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ハバノフ大使も、後から立って、同じことを誓った。 リット提督は、それをきいて喜色満面、バネ仕掛のように椅子からとびあがって、両巨漢と、いくたびもかたい握手を....
北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
固陋の北斎といえども感激せざるを得なかった。 「よろしゅうござる」 と北斎は、喜色を現わして云ったものである。 「思うさま腕を揮いましょう。承知しました、きっ....
競漕」より 著者:久米正雄
胆して、しおれながら艇を一番最後に艇庫へ入れた。そこへ岸にいた先輩や津島君なぞが喜色を湛えて入って来た。「大丈夫だ。もう勝った」と口々に言っている。聞けば農科の....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
どつとめて呑みます、すべて営養上の嗜好はありませんと。この日、先生|頗る心能げに喜色眉宇に溢れ、言語も至て明晰にして爽快なりき。 談、刻を移して、予、暇を告げ....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
らに日用の糧を与えたまえ。(銀紙に包んだものを探り出す)我らに(銀紙を開きながら喜色を帯ぶ)日用……糧を……我らに日用の糧を……(急におどり上がって手に持った紙....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
すよ! 五色の色の機織り 一日を十年に数え 幾日経にけん。 (ヨハナーンたちまち喜色を顔に浮かべ) 少年 お姉様だ! お姉様だ! あのお声はお姉様のお声だ! 窓....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
静かに波また穏やかなり。午後細雨来たる。夕六時、房州長島の灯台望中に入る。乗客、喜色顔にあふる。夜十一時、相州観音崎下に停船す。 二十二日、晴れ。八時横浜に入....