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喜色満面
「喜色満面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喜色満面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ですねえ、いやに改まってさ。そう、そんなら私の志を受けてくださるの?」 美人は
喜色満面に溢《あふ》るるばかりなり。 「お世話になります」 「いやだよ、もう金さ....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
その最後の情景を叙べて、『罪の重荷を投げ下して、恋しき故郷に旅立ち帰る心持にて、
喜色満面勇み立ったその姿は、坐ろに立会の官吏達を感歎せしめざるはなかったと申しま....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
いたか――」
広海屋の、栄達を望んでもがきつつある心は、すぐに激しく動揺して、
喜色満面。
「ええ、もう、大したお讃《ほ》めで――」
と、雪之丞は唆《そそ》り....
「明るい海浜」より 著者:宮本百合子
響いた。 「フライ、フライ!」 悌が最も素直に一同の希望を代表して叫び、彼等は
喜色満面で食卓についた。ところが、変な顔をして、ふき子が、 「これ――海老?」 ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ハバノフ大使も、後から立って、同じことを誓った。 リット提督は、それをきいて
喜色満面、バネ仕掛のように椅子からとびあがって、両巨漢と、いくたびもかたい握手を....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ながら聞いていたが、
やがて、鬚だらけの顔がにっこりしたかと思うと、泰軒先生、
喜色満面のていでそりかえった。
「うむ! そうか、そうか。やアめでたい! そりゃ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
考える必要があったでしょう。しかし、とにかく、本格的な着想でしたよ」 花廼屋は
喜色満面、いつまでも無言でニヤニヤ笑っていたが、虎之介はむくれて、これも口をきかなかった。....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
心身を休養せしむるは至当の事といわねばならぬ。我が店員等が明日の楽しさを想像して
喜色満面という土曜日の夜は如何に我が店の賑やかなることよ。床屋に走るあり、襦袢の....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
花婿は黒山高帽子に毛皮の襟《えり》の付きたる外套《がいとう》を着《ちゃく》して、
喜色満面に溢《あふ》れていたるに引きかえ、花嫁はそれと正反対、紺色の吾妻《あずま....
「黒い手帳」より 著者:久生十蘭
すると大金持になるかも知れないんです。まアこれを読んでごらんなさい」 いわば、
喜色満面といった風情で、前日の夕刊をさしつけてよこした。なんにしても結構な話にち....
「魔都」より 著者:久生十蘭
亀浮木といった態たらく。していいものなら手を合わせて拝みたかったろう、警保局長は
喜色満面の趣きで花の傍に近寄ると、その肩に手を掛け、その声に滴るばかりの愛嬌を含....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
十郎は、へへえといって嚥みこめぬような顔をしていたが、どうしたというのかにわかに
喜色満面のていで、つづけさまに古袷の膝をたたきながら、 「わかった、わかった、な....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
れとは別にちょっと妙なことを小耳にはさんだんでございます」 「ふむ?」 千太は
喜色満面のていで、 「それが、実にどうも馬鹿馬鹿しいような話なんで……」 「なん....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
は、新婚の日にそなえてあらかじめ旅館にとっておいた部屋のドアを、手ずから開けて、
喜色満面、からからと高笑いしながら、われわれを迎えてくれた。 それを見て僕は、....
「三国志」より 著者:吉川英治
檣に!」 「青旗のようですっ。――青龍の牙旗。まちがいはありません」 曹操は、
喜色満面に、 「そうかっ。よしっ」 と、うなずいて、自身、舳のほうへ向って、希....