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喞
「喞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子はただ心の中で失望したように「あれだからいやになっちまう」とくさくさしながら
喞《かこ》った。
しかしこの場合、木村と同様、葉子も格好な空気を部屋の中に作る....
「生きている腸」より 著者:海野十三
てパイロット・ランプが青から赤にかわった。部屋の隅では、ごとごとと低い音をたてて
喞筒モートルが廻りだした。 医学生吹矢隆二の両眼は、いよいよ気味わるい光をおび....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
原軍医殿に、モルモットを硝子鐘のなかに移して貰おう。それから、星宮君は、すぐ真空
喞筒を回転してくれ給え」 航空大尉と、理学士と、軍医との協同実験が始まった。こ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
。 「全速力三十六|節!」 驚くべき命令が発せられた。 給油管は全開となり、
喞筒はウウーンと重苦しい呻りをあげ激しい勢いで重油がエンジンに噴きこまれて行った....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
すりついている――と思ったら、それは真赤な血痕だった。水色のアルパカの上衣にも、
喞筒で注ぎかけたような血の跡が……。全くむごたらしい光景だった。 刑事は、倒れ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
って、空気が湿った所為か、笛太鼓の囃子の音が山一ツ越えた彼方と思うあたりに、蛙が
喞くように、遠いが、手に取るばかり、しかも沈んでうつつの音楽のように聞えて来た。....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
す。スットン、スットンと音がしているでしょう。あの音は、この箱の中に仕掛けてある
喞筒が、正しく一分間に六十回の割合で、この青年の血液を、心臓に代って、全身へ送り....
「火星探険」より 著者:海野十三
の生態を調べる仕事や、またその瓦斯の中で発電機をまわしたり、エンジンをかけたり、
喞筒《ポンプ》を動かしたりの重要な仕事を持っていて、今日は総出でやることになって....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
室です。なんだかモーターがブルンブルンと廻っているような音も聞え、ポスポスという
喞筒らしい音もします。イヤに騒々しいので、私は眉を顰めました。 「だから無理だよ....
「雷」より 著者:海野十三
と被ってバラバラと駈けだしてゆくのが、真青な電光のうちにアリアリと見えた。手押|
喞筒の車が、いまにも路の真中に引くりかえりそうに激しく動揺しながら、勢いよく通っ....
「人造物語」より 著者:海野十三
、時間をきめて報告する役目を分担しているそうだ。 それから、シカゴの下水会社で
喞筒の番人をやっているのもあるという。 ニューヨーク市のエジソン会社で、外から....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
深きを 曳手・単節 荒芽山畔路叉を成す 馬を駆て帰来る日|斜き易し 虫
喞凄涼夜月に吟ず 蝶魂|冷澹秋花を抱く 飄零暫く寓す神仙の宅 禍乱早く離る夫婿の....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
お願いしますと、「学校に行かんならんのでこんな絵でも日がかかって困ります」などと
喞ったりされながら「写されるのだったら直写ししても構いませぬ」と気易く許して頂い....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
笥を脊負い出そうッて働きのあるんじゃありませんがね、下がった袷のじんじん端折で、
喞筒の手につかまって、空腹で喘ぎながら、油揚のお煮染で、お余を一合戴きたいが精充....
「活人形」より 著者:泉鏡花
名誉の創痕なれど、衆に知らるる目標となりて、職務上不便を感ずること尠からざる由を
喞てども、巧なる化粧にて塗抹すを常とせり。 倉瀬は鋭き眼にて、ずらりとこの家を....