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喩
「喩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
に陥《おちい》らなければならぬ。「過去の業《ごう》」という言葉はこういう不幸を比
喩《ひゆ》的に説明するために用いられたのであろう。「わたしたち自身を発見する」の....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
でしょう。自分で自分の下等なのに腹を立てているのですからな。」
崋山は馬琴の比
喩《ひゆ》があまり熱心なので、思わず失笑しながら、
「それは大きにそういうところ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
こういう説明のうちにもう退屈を感じ出しました。それはせっかくの長老の言葉も古い比
喩《ひゆ》のように聞こえたからです。僕はもちろん熱心に聞いている容子《ようす》を....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
める水蒸気と、しだいに暗くなる夕空の薄明りとは、この大川の水をして、ほとんど、比
喩《ひゆ》を絶した、微妙な色調を帯ばしめる。自分はひとり、渡し船の舷に肘《ひじ》....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
く裂け乱れて、純一な気持ちがどこのすみにも見つけられない時のさびしさはまたなんと
喩えようもない。その時私は全く一塊の物質に過ぎない。私にはなんにも残されない。私....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
来ない(それはこの生活が理智的表現を超越しているが故でもある)。その場合私は、比
喩と讃美とによってわずかにこの尊い生活を偲ぶより外に道がないだろう。 本能とい....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
来世的の言である(一章三十三節)、神の言葉として是は勿論追従の言葉ではない、又比
喩的に解釈せらるべきものではない、何時か事実となりて現わるべき言葉である、然るに....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
を着た痩せこけた男だった。グッと出口の警官隊を睨みつけたその顔の醜怪さは、なにに
喩えようもなかった。左半面には物凄い蟹の形の大痣がアリアリと認められた。ああ、遂....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
た黄金の鯱ほどに見えようと思う。 美女 あの、人の目に、それが、貴方? 公子 譬
喩です、人間の目には何にも見えん。 美女 ああ、見えはいたしますまい。お恥かしい....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
れた釣鐘ほどあって、のう、手頃には参らぬ。」 と云った。神に使うる翁の、この譬
喩の言を聞かれよ。筆者は、大石投魚を顕わすのに苦心した。が、こんな適切な形容は、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
います、か、お前さんは酔ってるね、だか分らない。 「やあ。」 と、渡りに船の譬
喩も恥かしい。水に縁の切れた糸瓜が、物干の如露へ伸上るように身を起して、 「――....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ているのは、特に緞子の袴を着した。 盛装した客である。まだお膳も並ばぬうち、譬
喩にもしろ憚るべきだが、密と謂おう。――繻子の袴の襞※とるよりも――とさえいうの....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
につきて説いて居る。 が、それは極度に詩的空想に彩色れたもので、エゼキールの隠
喩的筆法とは格段の相違がある。同様にダニエルは光の幻影を描き、ジュレミアは天帝の....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
も、一種の新刺戟となって、すこぶる興味あり、かつ稗益する所多い作品である。音楽の
喩を設けていわば、あたかも現代の完備した大風琴を以って、古代聖楽を奏するにも比す....
「迷信解」より 著者:井上円了
らば、あらかじめあたるものとの信仰をおくようになる。これに加うるに、易の文句は比
喩にわたり、多様の意義を含んでおるから、臨機応変の解釈を付けることができる。それ....