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喪主
「喪主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喪主の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
棺は死人を弔うにふさわしく、支那式に、蛇頭や、黒い布でしめやかに飾られていた。
喪主らしい男は、一人だけ粗麻の喪帽をかむり、泣き女はわんわんほえながらあとにつゞ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
と鳴る。講中が「南無阿弥陀ァ仏」と和する。鉦、炬火、提灯、旗、それから兵隊帰りの
喪主が羽織袴で位牌を捧げ、其後から棺を蔵めた輿は八人で舁かれた。七さんは着流しに....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ろを染め直す余裕もなく――しかし、身なりだけはととのえねば気がすまぬ女であった。
喪主の長男は袴のひざに手を置いて、揺めくろうそくの灯を見つめていた。母の嘆きも聞....
「道標」より 著者:宮本百合子
って川辺みさ子の遺骨が故国へ送り届けられた。それは単衣の季節だった。はかばかしい
喪主もなくて、まばらに人の坐っている寺の本堂を読経の声とともに風が通った。遺骨は....
「旅愁」より 著者:横光利一
、彼は勇気がまた出て来るのだった。
告別式は二時ごろから始った。矢代は玄関前の
喪主の位置に立って来る人人に挨拶した。参列の人人の自動車の黒い胴が、常緑樹に溜っ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
麦畑の主に教わったはここぞと念を入れて、多く入れ多く入れと唱えながら墓を遶った。
喪主仰天して彼を捉え打っていわく、汝死人に遇わば愍《あわれ》んで今後かかる事なか....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
については少しも疑いがない。彼の埋葬の登録簿には、僧侶も、書記も、葬儀屋も、また
喪主も署名した。スクルージがそれに署名した。そして、スクルージの名は、取引所にお....
「悲しめる心」より 著者:宮本百合子
がら一滴の涙さえ頬には流さなかった。 祭官の祭詞を読む間も御玉串を供える時にも
喪主になった私はいろいろの事を誰よりも一番先にした。恥かしい気もうじうじする気も....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
むらいなら。
たといその包みを拾ったものが、乞食でも、かったい坊《ぼう》でも、
喪主《もしゅ》のつぎ、会葬者の第一番に焼香する資格があるのだ。
「うめえ話じゃア....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
付きました。今までは全く手紙をかきに二階に上っていることが出来なかった。お葬式は
喪主があなたでしたから私の用も多かったわけでした。万事とどこおりなく終りました。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
われていたから、彼が棺桶に横たわって間もなく、一順の焼香を終える。 型の如くに
喪主の清作と外孫の当吉(十三)金次(十)が現れてフタをとじてクギをうった。清作の....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
った。 * * * 越えて二日目、葬式は盛んに営まれて、
喪主に立った若後家のお光の姿はいかに人々の哀れを引いたろう。会葬者の中には無論金....
「小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
日である。午前十時から自宅において最後の読経焼香を行い、午後十二時五分出棺した。
喪主小山内徹氏をはじめ遺族、近親、劇場代表者「三田文学」「子分の会」「劇と評論」....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
して市設の葬儀場へ数百の会葬者が着席した。市会議員連も同じく着席した。 市長は
喪主菊子嬢と同列で親族席に坐っていた。そして島村はその横に坐った。 梅田は松島....