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喫う
「喫う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
喫うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「聖書」より 著者:生田春月
て、何とも云えず面白い気持がした。が、そのすぐあとから、自分が毎日敷島を二つ宛|
喫うことを思出して、惜しいような気がした。何が惜しいのかわからないが、兎に角惜し....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
載せた。 (注げ! 馬鹿めが、)と猪口を叱って、茶碗で、苦い顔して、がぶがぶと掻
喫う処へ、……色の白い、ちと纎弱い、と云った柄さ。中脊の若いのが、縞の羽織で、廊....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
缶詰四個とバター一|封度をくれる。 二人の話はあいかわらず食うこと、飲むこと、
喫うこと、壕の話、戦況などに終始する。実際この頃はこんな話さえしていれば種はつき....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
肯いた」 「そりゃ、どういうわけだい」 「なーに、これはあの劇薬を煙草に浸ませて
喫う方法なのだよ。鴉片中毒者はモヒ剤だけを吸うが、われわれの場合は、ほんの僅かの....
「食魔」より 著者:岡本かの子
あった。 ※気は不快だったが、その不快を克服するため、なおもビールを飲み煙草を
喫うところに、身体に非現実な美しい不安が起る。「このとき、僕は、人並の気持になれ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の畔で彼女に遇った。然し、幾ら世事に迂遠な僕でも、密会に均しい場所で誰が莨なんぞ
喫うもんか! 以上君の質問にお答えしておく。独身の画描きに確実な不在証明のないと....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ことに感心してしまった。で、彼は〈めだか〉の家に行きたいと思うた。土曜日の午食を
喫うたきり、何にも食うておらないので腹も減った。 しかし、〈めだか〉の家に行き....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
移すかどうかという段になると吉田は一も二もなく否定せざるを得ないのだった。煙草を
喫うも喫わないも、その道具の手の届くところへ行きつくだけでも、自分の今のこの春の....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
小さい穴へ詰込み、その穴を煙灯の火にかけてあぶり、阿片が燃えて煙を出すのを待って
喫うのだがこの喫い方が又むずかしいと云うのは煙を口や鼻から出さずその全部を腹の中....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
云うまいと思う。僕が故国へ帰って行かない理由の、その半分はこの国に居れば、鴉片を
喫うことが出来るけれど、日本へ帰ったら
喫うことが出来ない。――と云うことにあると....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
取り上げた。 「おい、お若いの、此処へ寝な。寝台の上へ寝るがいい、そうして此奴を
喫うがいい」 長い煙管を振って見せた。 「恐く無いよ。大丈夫だ、美しい夢が見ら....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
の悪い眉毛の濃い、鼻眼鏡の老嬢であるが、烈しい寒風のなかでも小休みもなく巻煙草を
喫うのが癖で、胸のあたりや膝の上に煙草の灰を絶やしたことがない。鼻声で、一語一語....
「藍瓶」より 著者:田中貢太郎
ったのか」 「俺は喫いたくない、遅く蕎麦を喫ったのだから、ひもじけりゃ帰って来て
喫うよ、お前達が
喫うが宜い」 「じゃ喫おう」 二人は飯をはじめた。父親は黙りこ....
「雨夜続志」より 著者:田中貢太郎
、時どき雑誌で拝見するよ」 「近比は浪人の内職が本職になってね、文章を書いて飯を
喫うとは思わなかったよ、お互いに大臣になるか、警視総監になるか、捨売にしても、知....
「怪しき旅僧」より 著者:田中貢太郎
強情な人じゃ」と、入口の戸を開けて暗い中から頭をだして、「其のかわり、被るものも
喫うものも何もないよ」 「いや、もう、寝さしていただけばけっこうでございます」 ....