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「喰う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

喰うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
なっていた。冬の間|稼《かせ》ぎに出れば、その留守に気の弱い妻が小屋から追立てを喰うのは知れ切っていた。といって小屋に居残れば居食いをしている外《ほか》はないの....
星座」より 著者:有島武郎
、母も箸を取らずにいたが、清逸は熱感があって座に堪えないので、軽く二杯だけむりに喰うと、父の自慢の蓬茶《よもぎちゃ》という香ばかり高くて味の悪い蓬の熱い浸液《し....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
して私は言葉の正当な使い道すらも十分には心得ていない。その言葉の後ろに安んじて巣喰うべき暗示の座が成り立つだろうかとそれを私は恐れる。 然し私は行こう。私に取....
赤外線男」より 著者:海野十三
先生は、小さくて可愛いいんですのネ」彼女は肥った露な二の腕を並行にあげて、取って喰うような恰好をしてみせた。 そんなことから、先生の深山理学士と生徒の白丘ダリ....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
あ腕っこきでグリゴリー・ペトニコフから取り返しねえ。カチヤだって呼吸もすりゃ飯も喰う、ぽかんと遊ばしちゃおかれ無えんだから……お前っちゃ一体何んだって、そんな太....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
たら、戦争しとる時は皆気違いや。君の云い方に拠れば、戦争というものは気違いが死を喰うのか、死が気違いを喰うのか分らん。ずどん云う大砲の音を初めて聴いた時は、こお....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
息の根を止めてくれねば……」 というわけで、今や醤買石は、執念の火の玉と化し、喰うか喰われるかの公算五十パアセントの危険をおかしても一矢をむくわで置くべきかと....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
したならどうであろう。どっちの場合も、人様のおかげをもって、どえらい傍杖的被害を喰う虞れが十分に看取されたものだから、どうして落付いていられようか。やっぱり、椅....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
極の目的地は火星よりももっと遠方の空間に有るわけなんだろう。月世界へ寄って道草を喰うのはつまらんじゃないか」 「そうじゃないよ、岸君。月世界は地球に一等近い星だ....
」より 著者:犬田卯
四 瘤村長に対する全く矛盾したこの村民の態度――一方においては自分達を喰うところの悪鬼的な存在として憎悪・排撃するかと思うと、一方においては腕力的防護....
式部小路」より 著者:泉鏡花
行ったろうと思うと、お定りのにごり屋。 (おう、媽々が出来たから、今日は内で飯を喰うんだ、道具を貸してくんねえ、) とまず七輪を一ツ運んだでさ。あとで鍋に醤油....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
るさに靖国神社近くで夕景となったから、何処かで夕飯を喰おうというと、この近辺には喰うような家がないといって容易に承知しない。それから馬場を通り抜け、九段を下りて....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
原(その頃はマダ公園でなかった)を早足で三遍も廻れば直き肥る。それには牛肉で飯を喰うのが一番だ。肉が営養があるというわけではないので、食慾を刺戟するのは肉が一番....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
かろう。大喰岳「信飛界、大喰岳、嘉門次」とは、群獣のこの附近に来て、食物をあさり喰うので、かくは名づけたのであると。 右手嶂壁の下には、数丁にわたる残雪、本年....
活人形」より 著者:泉鏡花
極まった。誰だと思う、ええ、つがもねえ、浜で火吸器という高田駄平だ。そんな拙策を喰う者か。「まあまあそう一概におっしゃらずに、別懇の間に免じて。「別懇も昨今もあ....