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「営舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

営舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
々刻々縮まっていった。 イワノウィッチには、毎晩夜の来るのが待たれる。昼間は、営舎の内部がひどい熱気に蒸されて、大きいストーブのようになっていた。そして、ワル....
一兵卒」より 著者:田山花袋
の蔭、糧餉のそばなどに軍帽と銃剣とがみちみちていた。レールを挾んで敵の鉄道援護の営舎が五棟ほど立っているが、国旗の翻った兵站本部は、雑沓を重ねて、兵士が黒山のよ....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
空気に、くん/\と匂っている。 兵士達は、駅前の広場で叉銃して背嚢をおろした。営舎がきめられるのを待った。彼等は、既に、内地にいる時よりも、言葉も、行動も、気....
反戦文学論」より 著者:黒島伝治
を捕える。如何に貧窮なものも、誰一人としてこの逮捕から逃げることは出来ない。君は営舎の中に××される、虫の如く裸に剥がれて今度は誰彼の差別を無くする××を着せら....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
だあまりわざとらしいような芝居が割合に少なく思われたのは成効かもしれない。河畔の営舎の昼飯後の場面が、どこかのどかでものうげで、そうして日光がまぶしいといったよ....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
映画はそれほどおもしろいとは思わなかったが、その中でトロイカの御者の歌う民謡と、営舎の中の群集の男声合唱とを実に美しいと思った。もっと聞きたいと思うところで容赦....
チチハルまで」より 著者:黒島伝治
一 十一月に入ると、北満は、大地が凍結を始める。 占領した支那家屋が臨時の営舎だった。毛皮の防寒胴着をきてもまだ、刺すような寒気が肌を襲う。 一等兵、和....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
たびに通過し、まだ年も若いのに、その冬には、伍長になった。 今でも彼は、毎朝|営舎《えいしゃ》で目をさますと、まず真先《まっさき》に宮城《きゅうじょう》を遥拝....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
苔で足が滑る。 森の入口、カペテントという野外カフェへ這入る。十七世紀の近衛兵営舎。門に一|風致。お茶一杯一クロウネ十四オウル。 郊外ドロットニングホルムで....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
んだ!」 四 少年老人に驚く そのうちにガヴローシュは、既に武装が解かれた営舎の残っているサン・ジャン市場で、アンジョーラとクールフェーラックとコンブフェ....
ヴェルダン」より 著者:野上豊一郎
塁砦で、南側には幾つも土窖の口が開いて居り、中には石でテューブ型に畳み上げられた営舎があり、町で買って来た当時の写真で見ると、両側に寝台が二段に組み立てられ、兵....
烏の北斗七星」より 著者:宮沢賢治
いながら、列をはなれて杉の木の大監督官舎におりました。みんな列をほごしてじぶんの営舎に帰りました。 烏の大尉は、けれども、すぐに自分の営舎に帰らないで、ひとり....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
のみならず、その日カテリーナ・リヴォーヴナの様子を見ていた連中の目には、そろそろ営舎が近くなりだすとともに彼女がしきりに古参の下士につきまといはじめて、とうとう....
」より 著者:神西清
たちといや――色とりどりのボンボンみたようで、見ても見飽きることじゃねえ! その営舎じゃ、金曜といや、かならず舞踏会があるし、それに、なにせ毎にち、軍楽隊がぶか....
三国志」より 著者:吉川英治
きたのだった。※口川の魏軍は、ほとんど水に侵され、兵馬の大半は押し流され、陣々の営舎は一夜のうち跡形もなくなってしまった。 関羽は夜どおし洪水の中を漕ぎ廻り、....