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営門
「営門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
営門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
れんたい》へとんで帰った。 「女のところで酒をのむなんて、全くけしからん奴だ!」
営門で捧《ささ》げ銃《つつ》をした歩哨《ほしょう》は何か怒声をあびせかけられた。....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
りに速かったのである。 或る者は、交番の前に、青物の車を置いたまま、印袢纏で、
営門をくぐった。また或る者は、手術のメスを看護婦の手に渡したまま、聯隊|目懸けて....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
たけ背負って帰れ、って云わっちゃもんだから、はあ、わが体さ四十五貫くくりつけて、
営門を這って出た豪傑があります」 「まあ」 小枝もひろ子も笑い出した。 「そり....
「嘘」より 著者:太宰治
あれは、」と私は、ほとんど夢中で言いました。「あれは、たしかに私が、青森の部隊の
営門まで送りとどけた筈ですが。」 「そうです。それは私も知っています。しかし、向....
「空襲警報」より 著者:海野十三
だった。兵員と機械とがまるで一人の人間の手足のように、うまく動くのであったから。
営門をくぐるのも遅しとばかり、中尉はサイド・カーから下りた。そして、いそぎ足で、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ん入浴しなければならないし、御飯もたべなければいけないからというわけで六時半ごろ
営門を出ました。第一中隊の建物というのはずっと奥で、
営門の方へ私たち歩きながら、....
「三国志」より 著者:吉川英治
やってくるらしく、豪快な笑い声が近づいてくる。 「こちらです」 案内の武士が、
営門の帷をあげて、閣の庭を指すと、紀霊は何気なく入りかけたが、 「……あっ?」と....
「三国志」より 著者:吉川英治
た。かくの如く、他国に征して、他国にわが名を辱めた不届き者は、諸人の見せしめ、各
営門を曳き廻した上、死罪にせよ、と厳命した。 すると、かたわらに在った孔融が、....
「三国志」より 著者:吉川英治
、胸中でつぶやいていた。 ほどなく、玄徳の一行は、江岸の兵に案内されて、中軍の
営門を通ってきた。周瑜は出て、賓礼を執り、帳中に請じては玄徳に上座を譲った。 「....
「三国志」より 著者:吉川英治
と、山を離れて、敵営へ迫った。 「来たか、魏延」 思いがけなくも、敵は八文字に
営門をひらいて、堂々、彼の軍を迎え一斉に弓鉄砲を撃ちだした。 冷苞はその中から....
「三国志」より 著者:吉川英治
も共に飲んで他事なく話しかけるので、孟獲も果ては大盃でがぶがぶ飲み乾した。そして
営門の裏から送り出されるや、罠を脱した猛虎が洞へ急ぐように、後も見ずに何処かへ消....
「三国志」より 著者:吉川英治
諜者のいわく。 「敵の営中に騒然たる戦気はたしかに感じられました。――けれど
営門に一老夫が立っているのです。白眉朱面、金鎧まばゆきばかり装って、毅然と突っ立....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ておりますが、いかがいたしたものかと、大友よりの問い合せにござりますが」 と、
営門の将から伺いを立てて来た。 折ふし――降参ノ輩、注スルニ暇アラズ――の状だ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、正成の首級をおたずさえあって、下御所(直義)さまと、高ノ師業、師久の両名が、御
営門までおみえにござりますが」 「正成の」 「はい」 「首級を挙げて来たのか」 ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
外に打たれた人々は、ひいてはまた、こういう危険さも杞憂しあっていた。そしてやがて
営門のうちへ入って行った戸板の上の人と信長との今朝の会見を想像して、異様な緊張を....