嗄れ声[語句情報] » 嗄れ声

「嗄れ声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嗄れ声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
指摘しているんだ」 「すると、儂だけは安全圏内ですかな」 その時背後で、異様な嗄れ声が起った。三人が吃驚して後を振り向くと、そこには、執事の田郷真斎がいつの間....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ざいます。……そうしてそれから姦夫姦婦!」 「顔をお直しくださいまし!」源之丞の嗄れ声! 「頭髪から変えることに致しましょう。よい頭髪でございますこと」 どう....
槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
を、犇々と胸に受けた。 絶壁の下なる大深谷からは、霧がすさまじいいきおいで、皺嗄れ声を振り立てて上って来る、近づくほど早くなるかと思うと、端から砕けてサアッと....
怪塔王」より 著者:海野十三
さい。わしは研究中だ。誰がきても会わんぞ。今日はだめだめ。帰ってくれ」 博士は嗄れ声でどなるようにいいました。 塩田大尉と一彦とは、顔をみあわせました。 「....
二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
い洞穴内に反響すると、博労のすぐわきの戦士の一人が、少しばかり頭を持ちあげ、太い嗄れ声で訊きました。 「もう時が来たのか?」 博労は気転をきかせて答えました。....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
たしたちには共通の友人がある、」とアッタスン氏が言った。 「共通の友人!」と少し嗄れ声でハイド氏がきき返した。「それは誰です?」 「例えば、ジーキル、」と弁護士....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
者どもの手に入るのであった。 「イズレールはフリントの砲手でしたよ。」とグレーが嗄れ声で言った。 どんな危険を冒しても、吾々はボートの舳をまっすぐに上陸地に向....
桜の森の満開の下」より 著者:坂口安吾
ったように疲れていました。そしてわが家の前へ辿りついたときには目もくらみ耳もなり嗄れ声のひときれをふりしぼる力もありません。家の中から七人の女房が迎えに出てきま....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
反対したのは、意外にも金太であった。このウスノロのどこから出たかと思われる強情な嗄れ声で、 「そんなことは、やらせねえ」 金太の目はどういう感情のためか白目だ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
明な光りを心から感歎して眺めていると、その夢幻の状態から、わたしは間近にきこえる嗄れ声のために突然われにかえった。それと同時に、船長があたりをきょろきょろ見廻し....
三甚内」より 著者:国枝史郎
首根ッ子を引っ掴みグイグイ二、三度突きやった。 「ひ、ひ、人殺しイ……」 まだ嗄れ声で喚きながら両手を胸の辺で泳がせたが、にわかにグタリと首を垂れた。 驚い....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
くわねえよ。」と車掌がひとりでぶつぶつ言った。「あいつはおれの気に入らねえほどの嗄れ声をしていやがるよ、あのジェリーはな。」) 「そうですよ、ロリーさん。」 「....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ちつきなく、キョトキョト動く眼を、グッと据えたが、やっと咽喉から押し出したような嗄れ声で、 「ナニ、天国※ ……まことか! ……まことなりやお手柄、我ら助かる!....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れてから発見される一時十五分迄の間と云うものは、一向に何んの物音もなく、それに、嗄れ声一つ聴こえませんのでしたが……」 推摩居士の年齢は略々盤得尼と頃合だけれ....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
ら、進み寄り、屈みこんで、不意に妙な声をあげて死人の体を抱えあげながら、振返って嗄れ声で云った。 「うちの、峯吉です」 六 その頃、滝口坑....