»
嗅
「嗅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嗅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
逞《たくま》しいブルテリアが一匹、少年の足もとを通って行く。少年の匂《におい》を
嗅《か》いで見ながら。
30
同じ劇場の裏の上部。火の....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
葉を蹴立てて駈《か》けて来ました。
足一つの神はその犬を指して、
「これは名を
嗅げと言って、どんな遠い所の事でも
嗅《か》ぎ出して来る利口な犬だ。では、一生｜己....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
った事を考えると、なぜかまるで磨《と》ぎすました焼刃《やきば》の※《にお》いでも
嗅《か》ぐような、身にしみて、ひやりとする、それでいてやはり頼もしい、妙な心もち....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
た。が、その間《あいだ》に朋輩は吉助の挙動に何となく不審《ふしん》な所のあるのを
嗅《か》ぎつけた。そこで彼等は好奇心に駆られて、注意深く彼を監視し始めた。すると....
「影」より 著者:芥川竜之介
はさっきからたった一人、夜《よ》と共に強くなった松脂《まつやに》の※《におい》を
嗅ぎながら、こう云う寂しい闇の中に、注意深い歩みを運んでいた。
その内に彼はふ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
言葉を続けながら、径《みち》ばたの薔薇《ばら》の花をむしると、嬉しそうにその匂を
嗅《か》いだ。が、薔薇はむしられた跡にも、ちゃんとその花が残っていた。ただ老人の....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《もろもろ》の仏神に甚太夫の快方を祈願した。病人も夜長の枕元に薬を煮《に》る煙を
嗅《か》ぎながら、多年の本望を遂げるまでは、どうかして生きていたいと念じていた。....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
前へ褐色の一片を突きつけていた。
僕はちょっとそのビスケットの※《におい》だけ
嗅《か》いで見たい誘惑を感じた。
「おい、僕にもそれを見せてくれ。」
「うん、こ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
一情景を鮮《あざや》かに思い浮べることがある。それは従来の経験によると、たいてい
嗅覚《きゅうかく》の刺戟から聯想《れんそう》を生ずる結果らしい。そのまた
嗅覚の刺....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
。彼はその思い出の中に、長蝋燭《ながろうそく》の光を見、伽羅《きゃら》の油の匂を
嗅ぎ、加賀節《かがぶし》の三味線の音《ね》を聞いた。いや、今十内が云った里げしき....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
。真夏の日の午《ひる》すぎ、やけた砂を踏みながら、水泳を習いに行く通りすがりに、
嗅《か》ぐともなく
嗅いだ河《かわ》の水のにおいも、今では年とともに、親しく思い出....
「白」より 著者:芥川竜之介
一
ある春の午《ひる》過ぎです。白《しろ》と云う犬は土を
嗅《か》ぎ
嗅ぎ、静かな往来を歩いていました。狭い往来の両側にはずっと芽をふいた生....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
一言《ひとこと》もこの事情を打ち明けなかった。また実際仲間の若者たちも彼の秘密を
嗅《か》ぎつけるには、余りに平生《へいぜい》の素戔嗚《すさのお》が、恋愛とは遥《....
「墓」より 著者:秋田滋
かが徘徊してでもいるらしく、犬は、夢中になって吠えながら、頻りに戸の下のところを
嗅いでいる。そこで墓番のヴァンサンは、銃を手にして、四囲に気をくばりながら戸外へ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いっていた。ときおり、まだ乳ばなれしない小豚の群が飛びだしてきたが、大気の匂いを
嗅ぐためのように見えた。雪のように白い鵞鳥は堂々たる艦隊をなして、近くの池で遊弋....