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嗅ぎ分ける
「嗅ぎ分ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嗅ぎ分けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
石よりも鋭い。奴らは、前に往った犬の糞尿や凍傷の血の滴りを、なん月後でもちゃんと
嗅ぎ分けるから……」 しかし、この鉄の男は顔色も変えていない。微妙な、ほのめき....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
目を奪われ、魂を盗まれた、二人の破落戸《ならずもの》、一人の慾婆、そうした秘密を
嗅ぎ分けることも、見わけることも出来ず、めいめいの煩悩《ぼんのう》、慾念に、涎《....
「伸子」より 著者:宮本百合子
人間は、自分が棲息する家の空気に対して、獣が巣の安全、或は近づいた危険を本能的に
嗅ぎ分けると同じような直覚を持っている。伸子は部屋部屋の鎮まりかえった調子、何処....
「文芸時評」より 著者:宮本百合子
に手に二十八頁の議事録をひろげている。 徳永直が、例の二つの黒い鼻の穴で階級を
嗅ぎ分けるというような恰好で、熱心に委員橋本英吉の報告をきいている。「肩を聳した....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
たか、五、六ヶ月の実験の後、同じ巣に棲っている女王蜂と、雄蜂と、働蜂とをそれぞれ
嗅ぎ分けることが出来た。博士はまた数多くの蜂蜜を集めて、その匂の差異を少しも間違....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
に変りはない。いつも新しくいつもほのかである。言辞の森の下道を辿って、その香気を
嗅ぎ分けるときに、人々は直ちに魅了される。 鶴見は久しく鴎外の文章に親しんで来....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
ょいと口で濡してする習慣になっているらしく、私はその桜紙に口紅の烈しい匂いをよく
嗅ぎ分けることができた。そのうすあまい匂いは私のどうすることもできない、樹木にで....