嗜欲[語句情報] »
嗜欲
「嗜欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嗜欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
位に置かれるような結果として、天下国家を憂《うれい》としないでも、その暇に自分の
嗜欲《しよく》を満足する計をめぐらしても差支《さしつかえ》ない時代になっている。....
「道楽と職業」より 著者:夏目漱石
を描いたり作ったりするだけである。もっとも当人がすでに人間であって相応に物質的|
嗜欲《しよく》のあるのは無論だから多少世間と折合って歩調を改める事がないでもない....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
護謨の護の字も口にしなくなってしまったのである。 五 けれども彼の異常に対する
嗜欲《しよく》はなかなかこれくらいの事で冷却しそうには見えなかった。彼は都の真中....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
同じく世外《せがい》の趣はあるが、世外の功名心《こうみょうしん》のために、流俗の
嗜欲《しよく》を遠ざけているかのように思われる。だから野々宮さんを相手に二人《ふ....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
なると、渓間の佳饌山女魚は、俄に食趣をそそるのである。その濃淡な味感を想うとき、
嗜欲の情そぞろに起こって、我が肉虜おのずから肥ゆるを覚えるのである。けれど、この....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
込んで引き擦り廻し、
もがかせて、放さずに、こびり附かせて、
※くことを知らない
嗜欲の脣の前に、
旨い料理や旨い酒をみせびらかしてくれる。
先生医し難い渇に悶え....
「それから」より 著者:夏目漱石
破壊したも同然である。 だから、代助は今日まで、自分の脳裏に願望《がんもう》、
嗜欲《しよく》が起るたび毎《ごと》に、これ等の願望
嗜欲を遂行するのを自己の目的と....