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嗟嘆
「嗟嘆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嗟嘆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
三十韻《さんじゅういん》を出して見せた。詩は花やかな対句《ついく》の中に、絶えず
嗟嘆《さたん》の意が洩らしてある。恋をしている青年でもなければ、こう云う詩はたと....
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
って来ていないから、それが知られていないのであるが、今日信州あたりの博物学者が、
嗟嘆するように、火山灰のために、化石という地史上唯一の証券が埋没されて、手もつけ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
くである。四方に浮いてる家棟は多くは軒以上を水に没している。なるほど洪水じゃなと
嗟嘆せざるを得なかった。 亀戸には同業者が多い。まだ避難し得ない牛も多いと見え....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
寄一統を下手人の代りに磔に上げるかも知れないぞ、とこう仰せられるのじゃ。 (嘆息
嗟嘆の声高し) 茂兵衛 その上、詮議中その方たちに手錠を申し付けるという御沙汰で....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て、自家の存在と、学者の独立とを忘れていた英吉は、日蝕の日の、蝕の晴るると共に、
嗟嘆して主税に聞くべく、その頭脳は明に、その眼は輝いたのである。 早瀬は潔く云々....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ぐりの焦だたしいその気持は、くそっ、ゴージャンノットの結び目に逢ったかと、折竹も
嗟嘆の声をあげるばかり。という、その錯綜の謎は並べてみてさえも、皆さん、頭が痛く....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
りませんか。 昔、ある伊太利人は『愚人聖職に上り、ガリレオ獄中に在り』と云って
嗟嘆したそうでありますが、もしも天国の存在が本当だとすれば、『加害者天国に在り、....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
らである。 (二)太田資正は道灌の孫で三楽と号した。智謀あり、秀吉、家康に向って
嗟嘆して曰く、「今|茲に二つの不思議あり、君知れりや」と。家康曰く「一つは三楽な....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
後三年にして必ず、東西手切れとならん、我生きてあらば、相当の自信があるがと云って
嗟嘆した。 幸村、ぜひその策を教えて置いてくれと云った。昌幸曰く策を教えて置く....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
及ばず是れ即ち天賦の文才にして到底追慕するも亦画餠に属すればなりと予は筆を投じて
嗟嘆して止みぬ 明治廿二年十月中旬 香夢楼に坐して梅廼家かほる識す ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
度に猛烈な兇暴態度を示しながら、且つ其雄弁と剛腹とは全法廷を慴伏していた」 と
嗟嘆せしめた程である。 或人は疑った、彼は既に狂せるのではないかと。彼が一旦は....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
それにも拘らず葡萄糖の使用量は日毎に増加する一方だ。アア! 溜息をもらし、千丈の
嗟嘆を放つ者こそは、先生その人であったのである。 私は戦争のはじまるころから、....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
見ながら立っている準之助氏は、 「やあ! よく降る!」と、盛んな自然の大暴れに、
嗟嘆の声をあげていた。 家の中は、不気味に薄ぐらかった。椅子も卓子もなく、ただ....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
をお見せにならなくなったのではないかと思うと、私は身も世もないような、深い失望と
嗟嘆とに暮れてしまいました。その当座と云うものは、私はよく動作を間違えたり、台詞....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
× × × × × × × × S夫人の白隠伝は、こののんきな
嗟嘆の声で終っている。私はこの草稿を読んでから、あまりに健康で常識円満な女性は却....