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嘘
「嘘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
も急に顔色を変えて、相手の言《ことば》を遮りながら、
「これはまた思いもよらない
嘘をつくやつでございます。食蜃人の首を斬ったのも私《わたくし》たちなら、土蜘蛛《....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
び腰に、白い木馬に跨《またが》ったまま、ネクタイだけ前へぶらさげてね。――」
「
嘘をつけ。」
和田もとうとう沈黙を破った。彼はさっきから苦笑《くしょう》をして....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
と、中には世の常の姫君たちに引き比べて、この御姫様の御行状《ごぎょうじょう》を、
嘘のように思召す方もいらっしゃいましょうが、現在私が御奉公致している若殿様の事を....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
った人もある。船着だから、人気《にんき》が荒いんだ。が、見たところ、どうもお徳が
嘘をついているとも思われない。もっとも眼は大分《だいぶ》とろんこだったがね。
「....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
のようなものが輪どっている。頬のまわりや顋《あご》の下にも、以前の豊な肉附きが、
嘘のようになくなってしまった。僅に変らないものと云っては、あの張りのある、黒瞳勝....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
いるのだ。」と云った。
「僕の鶯鶯《おうおう》? そんなものがあるものか。」
「
嘘をつき給え。論より証拠はその指環じゃないか。」
なるほど趙生《ちょうせい》が....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
? これは驚いた。まさかアッタッシェの癖に、新聞記者と一しょになって、いい加減な
嘘を捏造《ねつぞう》するのではあるまいね。」
「誰がそんなくだらない事をするもの....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
をした。
「洋一が悪いんです。さきに僕の顔へトランプを叩きつけたんだもの。」
「
嘘つき。兄さんがさきに撲《ぶ》ったんだい。」
洋一は一生懸命に泣き声で兄に反対....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
事さえも知らない。まして西郷隆盛の生死をやです。だから、僕は歴史を書くにしても、
嘘のない歴史なぞを書こうとは思わない。ただいかにもありそうな、美しい歴史さえ書け....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
何を言うんだえ? 私はそんな御嬢さんなんぞは、顔を見たこともありゃしないよ」 「
嘘をつけ。今その窓から外を見ていたのは、確に御嬢さんの妙子さんだ」 遠藤は片手....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
力、生命を掴むものが本当の批評家である。」と云う説があるが、それはほんとうらしい
嘘だ。作の力、生命などと云うものは素人にもわかる。だからトルストイやドストエフス....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
七、陸海軍の術語に明き事。少年時代軍人になる志望ありし由。 十八、正直なる事。
嘘を云わぬと云う意味にあらず。稀に
嘘を云うともその為反って正直な所がわかるような
嘘を云う意味。....
「久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
あります。それでいて官能だけは、好い加減な都会人より遥に鋭敏に出来上っています。
嘘だと思ったら、久米の作品を読んでごらんなさい。色彩とか空気とか云うものは、如何....
「狂女」より 著者:秋田滋
です。旦那、起きるのは厭だと仰有るんです。どうぞ堪忍してあげて下さい。奥さんは、
嘘でもなんでもございません、それはそれはお可哀相なかたなんですから――」 少佐....
「寡婦」より 著者:秋田滋
でした。なぜかと云いますと、世間ではその話を、それには本当のもあれば根も葉もない
嘘のもありましたが、いろいろ話していたからでした。あの一家の者は皆な、そうした評....