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嘘っぱち
「嘘っぱち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘘っぱちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
い私は、私を捨てた島の男へ、たよりにもならない長い手紙を書いてみた。
みんな
嘘っぱちばかりの世界だった
甲州行きの終列車が頭の上を走ってゆく
百貨店《マーケ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
とうか知ら?」
と、口に出してつぶやいた。お初、胸の中で、
――一時のがれの
嘘っぱちとも思われないが、さりとて、おいらのこの思い詰めた気持を、あんなに急に聴....
「獄中記」より 著者:大杉栄
ようとする邪魔をしたとか、その酔いどれを小脇にかかえて逃げ出したとか、いい加減な
嘘っぱちをならべ立てた事件の簡単な事実だ。 そして翌朝になって、警部が出て来て....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
「ちぇっ、ちぇっ、ちぇっ! 偽善と紋切り型だ! 紋切り型の文句と所作だ! 古臭い
嘘っぱちと頭を地べたにくっつけるお辞儀の繁文褥礼《はんぶんじょくれい》だ! そん....
「南さんの恋人」より 著者:豊島与志雄
、地獄とか、極楽とか、天国とか、よみの国とか、あんなものはどうなるんだい。」 「
嘘っぱちさ。」 「それでいいのかい。」 「いいじゃないか。生きてる間だけ生きてり....
「霧の中」より 著者:豊島与志雄
」 「神だの、巨人だの、人魚だの……。」 「ああ、大昔の話か。あんなこと、みんな
嘘っぱちだろう。」 「嘘じゃないよ。」 「本当のことだと思ってるのか。」 「本当....
「椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
息させます。いつかこんなことを云いました。火の如き熱情という言葉があるが、あれは
嘘っぱちで、火は精神力ではあっても、熱情ではなく、熱情というのはくすぶってる薪に....
「渡舟場」より 著者:豊島与志雄
たことが、俺の生還を喜ぶ気持の裏付けとして持ち出されるのである。すべて善意による
嘘っぱちだ。寧ろ悪意による
嘘っぱちはないものか。その方が今の俺には却って嬉しいの....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
り流行する世の中だ。政治だってそうでしょう。真実だ真実だと唱導されるものが、みな
嘘っぱちで、嘘だ嘘だと唱導されるものが、みな真実ですからね。」 「いや、これから....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
れてない私は、私を捨てた島の男へ、たよりにもならない長い手紙を書いた。 みんな
嘘っぱちばかりの世界だ! 甲州行きの終列車が頭の上を突きさした 百貨店《マーケッ....
「決闘」より 著者:神西清
動とお喋り。二時、スリッパと昼飯と酒。五時、海水浴とお茶と酒。それからヴィントと
嘘っぱち。十時、夜食と酒。十二時過ぎ、睡眠と|おんな。卵が殻の中にあるように、彼....
「或る探訪記者の話」より 著者:平林初之輔
て、まるで奥さま一人の責任のように言っていたそうです」 僕は白状するが、こんな
嘘っぱちを言って、この女を苦しめねばならぬ自分の職業を恥じた。しかし、職業に忠実....
「審判」より 著者:カフカフランツ
い、予審判事とその一味とに対する復讐はなかった。そうなれば、予審判事がKに関する
嘘っぱちの報告を苦心|惨憺してでっちあげた末、深夜に来てみると女のベッドが空であ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ドラダは王に直接謁見することは許されなかった。したがって抱擁云々のチノコの陳述は
嘘っぱちである。だが、ダイアとルビーの指輪は、内閣秘書の手をとおしてたしかにスパ....
「かもめ」より 著者:神西清
ジナ モーパッサンの『水の上』よ。(二、三行ほど黙読する)ふん、あとはつまらない
嘘っぱちだ。(本を閉じる)わたし、なんだか気持が落着かない。うちの子は、一体どう....