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嘘偽
「嘘偽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘘偽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ちへ転んでも十両で、お前に損は無いのだから、本統の事さえ教えて貰えば好いのだよ。
嘘偽りを教えられたのでは後日になって、愚庵が申分けが無い。申分けが無いとなると、....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
どうぞほんとの話をして下さい」と云った。 「え? 何を仰しゃるの? 先生、これが
嘘偽わりのないほんとの話なんですわ」 「あなたは何故抱いていた赤ン坊を残して、一....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
作とは、恋に狂うた男に適わしい熱情を持っている)のうお梶どの。そなたは、藤十郎の
嘘偽りのない本心を、聴かれて、藤十郎の恋を、あわれと思わぬか。二十年来、忍びに忍....
「おせん」より 著者:邦枝完二
爪よ」 「え」 「爪だってことよ」 「爪」 「その通りだ。おせんの身についてた、
嘘偽りのねえ生爪なんだ」 「馬、馬鹿にしちゃァいけねえ。いくらおせんの物だからッ....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
「三日三晩、一睡もしずに考え抜いた揚句、お願いに参上いたしましたやつがれ、毛頭
嘘偽りは申上げませぬ」 「よかろう。それ程までの覚悟があるなら、やって見なさるが....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
両の黄金は重うござるに、どうしてお持ちなされるな?」 「魚屋様は商人でのご名家、
嘘偽りないお方、それゆえ現金は戴かずとも、必要の際にはいつなりとも用立て致すとお....
「糸くず」より 著者:国木田独歩
ったと思ったのはお前さんも知らっしゃる通り、この一条の何のというわけでない、ただ
嘘偽ということであったので。嘘ほど人を痛めるものはないのじゃ。』 終日かれは自....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
非難すべき者ではない、自分自ら「私は密旨を帯びて居ます」など有体に云う所を見ても
嘘偽りなどを云う様な暗い心でない事も分って居る、余は斯う思うと余り叔父と秀子との....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
もの頼み手は黒住団七とな! いぶかしい事を申しおるが、まことの事かッ」 「なんの
嘘偽りがござりましょうぞ。あの黒住の旦那様が、昔宇都宮藩で御同役だったとかいう市....
「グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
たお前を、恥ずかしさの余り顔を赤らめさせなくてはならない事だと云うことを、正直に
嘘偽りでなく云うことが出来る。けれどもやがて私の頭上にかかっているこの危険が、本....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
嘘を書く必然性を持っているのだ。即ちその意味で彼女の書いたといわれる手記は決して
嘘偽りではないと考えて見当違いではない。だが恐らく刑事的に嘘ではないが、文学的に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
馬上の槍、我が朝におきましては宝蔵院の入道、高田又兵衛といえどもこれには及ばず。
嘘偽《うそいつわ》りと思召すなら御見物の方々、御持合《おんもちあわ》せの手裏剣《....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
によりよき生を築く」と。いかにも男らしい口振りである。 しかし、ここには一つの
嘘偽がある。 ニーチェの眼に、全き肯定者の姿が見られたか。彼の心は、絶えず不安....
「折たく柴」より 著者:宮本百合子
る力のあったことは、彼が偉大な作家であったことをはずかしめない。 バルザックは
嘘偽も人世のリアリティーの一つであることを正視する勇気をもっていた。 ゴンクー....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
支那の椅子は威儀を正して見せるためであって、体をくつろがす目的でない。そんなのは
嘘偽であるから、自分はティーテーブルでも何でもへ足をあげて楽にすることにしている....